水稲冷害研究チーム

1999年早期警戒情報


1999年早期警戒情報(7月10日)

No.12

 仙台管区気象台が9日発表した向こう1か月の予報内容は次の通りです。この期間の前半を中心に梅雨前線の活動が不活発で、北からの高気圧に覆われることが多いため、気温はやや低めで経過し、太平洋側を中心に曇りの日が多い。
 平均気温は「平年並」か「低い」と予想されています。
 この先2週間の予報内容は次の通り。
 第1週目(7月10日〜7月16日):高気圧が北に偏って張り出すため、湿った東風が入る太平洋側では、曇りの日が多い。日本海側では北部を中心に晴れる日が多い見込み。平均気温は平年並の見込み。
 第2週目(7月17日〜7月23日):冷たい高気圧に覆われ、太平洋側では晴れる日が多いでしょう。日本海側では、上空の寒気の影響で曇りの日が多い。平均気温は低い見込み。
このように、気温は今後1週間気温は太平洋側を中心に低く推移することも予想されます。上空の偏西風の流れ、オホーツク高気圧指数などの予測結果を参考に総合的に判断すると、オホーツク海高気圧が発達する可能性もあると予想されます。


7月9日発表:1ヶ月予報(7月8日から8月9日)

 月16日現在における冷害危険度地帯別にみた過去7日間の平均的な気象経過は、次の通りです。

地帯 実況
平均
実況
最高
実況
最低
実況
降水量
実況
日照
移動
平均
移動
最高
移動
最低
移動
降水量
移動
日照
平年偏差(移動平均−平年)
平均 最高 最低 降水量 日照
124.829.122.27.44.422.325.420.026.91.11.20.52.121.6-0.9
223.326.021.63.91.622.126.219.110.53.31.51.81.95.80.1
323.727.221.37.51.724.028.220.45.92.82.42.62.60.3-0.5
422.925.220.80.61.021.024.918.311.22.31.10.81.76.8-0.7
524.228.721.17.63.224.128.320.56.02.61.81.91.9-0.1-0.7
622.926.819.71.82.620.623.218.226.40.81.0-0.12.214.9-1.4
724.829.122.03.24.922.525.919.920.31.61.61.21.914.8-0.4
820.722.819.11.20.318.721.017.012.80.90.5-0.11.38.5-1.6
注)実況値は当該月日の値、移動値は前7日間の移動平均値、平年偏差は移動平均から平年値を差し引いた値をそれぞれ示す。

この地帯の詳細については冷害危険度地帯とその特徴をご覧ください。



                              7月16日現在
平均気温最高気温最低気温
  〜17.0℃
17.0〜19.0℃
19.0〜21.0℃
21.0℃以上
  〜20.0℃
20.0〜22.0℃
22.0〜24.0℃
24.0℃以上
  〜12.0℃
12.0〜14.0℃
14.0〜16.0℃
16.0℃以上
 

 現在、東北地域の水稲の生育は幼穂形成期直前から幼穂形成期を過ぎたところにあり、作柄を左右する重要な発育段階にあります。
 過去7日間の地帯別平均的気象経過は上表の通りです。気温は平年より低く推移し、特に最低気温が低い傾向にあります。今後も太平洋側を中心に平年より低く経過することもあると予想されます。今までの気象と生育経過をみると、特に冷害危険度の高い地帯4、6と8においては、葉齢からみた生育の進み方が平年よりかなり早くなっているものと推察されます。そのため、栽培管理に当たってはこの点を十分考慮して下さい。
 今後の天候推移(下図警戒メッシュ)と予報には特段の注意を払い、また各県の稲作技術・予察情報ならびにホームページの『図説:水管理』『生育・作柄情報』−『発育予測情報』『葉いもち予察情報』頁などを参考にして、適正な水管理、適正な追肥時期と量、葉いもちの早期発見・早期防除、ならびに灌漑水の確保を実施して下さい。

 ● 幼穂形成期前後にある水稲:前歴深水(10cm程度)管理の実施。適正な追肥時期と量の判断。また危険期深水管理のできる態勢の準備。
 ● 危険期に近い水稲:危険期深水(可能な範囲で。できれば18cm〜20cm程度)管理の実施。
 


警戒メッシュ説明:
 上図は平均・最高・最低気温の過去7日間平均値を水田分布メッシュ対象で示したものです。低温障害の回避と生育促進のための水管理・肥培管理の参考にして下さい。
 なお、気温区分には下の基準温度等を参考にしています。

 ○ 低温障害が懸念される平均気温(要前歴・危険期深水管理):17度以下
 ○ 生育促進のため水管理に注意が必要な平均気温(要前歴・危険期深水管理):17〜19度
 
 
ホームページ参照:

 
GotoHome Prev Next Return Opinion
 

reigai@tnaes.affrc.go.jp