水稲冷害研究チーム

2005年早期警戒情報


2005年早期警戒情報(6月25日)
No.10
 仙台管区気象台が24日発表した向こう1か月予報によると、この期間の天気は、前線や低気圧の影響で、東北地方は平年と同様に曇りや雨の日が多い。
 平均気温は均してみると高い予想です。予想される気温区分確率は、第1週については、低い可能性が10%、同平年並20%、同高い70%。同じく第2週については低い可能性が30%、同平年並40%、同高い30%です。この先2週間の天候予想は次の通りです。

第1週目(6月25日〜7月1日):明後日(26日)にかけては、高気圧におおわれ概ね晴れるが、その後は前線や気圧の谷の影響で曇りや雨の日が多い。
 平均気温は高い。

第2週目(7月2日〜7月8日):前線や低気圧の谷の影響で、東北地方は平年と同様に曇りや雨の日が多い。
 平均気温は平年並。

 また、この先1週間における偏西風の流れの予想によると、偏西風は北上し、南から暖かい空気が入りやすい見込みです。



6月24日発表:1ヶ月予報(6月25日から7月24日)

 7月1日現在における冷害危険度地帯別にみた過去7日間の平均的な気象経過は、次の通りです。

地帯 実況
平均
実況
最高
実況
最低
実況
降水量
実況
日照
移動
平均
移動
最高
移動
最低
移動
降水量
移動
日照
平年偏差(移動平均−平年)
平均 最高 最低 降水量 日照
120.122.717.812.90.022.626.819.06.83.43.03.42.70.50.6
218.922.116.720.50.021.425.017.89.33.22.32.02.25.2-1.0
320.422.618.214.70.022.225.619.012.43.22.01.62.36.2-0.3
418.221.615.520.90.220.925.116.78.93.92.22.21.63.80.1
522.226.019.321.50.323.127.119.515.43.42.52.52.49.80.1
619.224.415.616.50.620.925.416.66.33.72.73.22.01.10.3
720.423.018.111.20.022.626.519.110.93.12.93.12.55.80.2
816.619.713.09.20.618.923.115.22.35.02.13.11.1-2.51.4
注)実況値は当該月日の値、移動値は前7日間の移動平均値、平年偏差は移動平均から平年値を差し引いた値をそれぞれ示す。

この地帯の詳細については冷害危険度地帯とその特徴をご覧ください。


 現在、東北地域の水稲は分げつ期にあります。
 過去7日間の地帯別平均的気象経過は上表の通りです。平均気温はかなり高く推移しています。また今後も高く推移すると予想されています。
 このようなことから、本情報にある気象障害監視のポイント、気温指標、葉齢進度予測、参照リンクならびに各県の技術・予察情報などを参考にして、葉いもちの防除、中干しの実施や普段の水管理などには細心の注意を払って下さい。

○高温時:浅水管理による分げつ促進。有害物質の発生防止。

7月1日現在
警戒メッシュ説明:
 右図は平均気温の過去7日間平均値で分げつの形成遅延を監視する目的で、水田分布メッシュを対象に示したものです。田植え後の水管理等の参考にして下さい。なお、警戒メッシュは下の基準温度を使用しています。(詳細は気象障害監視のポイントを参照。)
 基準気温    障害の程度
   @13℃未満の地域(赤):草丈・根の生育が停止し、生育遅延が生じる。
   A13℃〜15℃の地域(黄):分げつ形成が停止し、有効分げつ確保が遅れる。
   B15℃〜17℃の地域(青):17℃以上の地域に比較して生育が緩慢となる。
   C17℃以上の地域(緑):順調な生育が期待できる。

<特記事項>
・東北南部は6月15日に入梅となり、またいもち病の蔓延可能域も広がりつつあります。補植用取り置き苗は葉いもちの伝染源となりやすいので至急に処分して下さい。
・中干しは幼穂形成期前までに終えること。
・栽培管理上参考にすべき各種気象情報については、仙台管区気象台ホームページの「気象情報発表」コーナー(http://www.sendai-jma.go.jp/)を参照ください。

  〜13℃生育遅延
13〜15℃分げつ遅れ
15〜17℃緩慢な生育
17℃以上順調な生育
ホームページ参照:
 
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