水稲冷害研究チーム

2010年早期警戒情報


2010年早期警戒情報(8月28日)
No.19
<特に注意を要する事項>
 期間の前半を中心に気温の高い状態が続き、東北南部の太平洋側では降水量が少ない見込みです。

 仙台管区気象台が27日発表した向こう1か月予報によると、この期間、天気は平年と同様に曇りや雨の日が多い見込み。
 平均気温は均してみると高い確率が60%です。予想される気温区分確率は、第1週については低い可能性が10%、同平年並み10%、同高い80%。第2週については低い可能性が10%、同平年並み20%、同高い70%です。この先2週間の天候予想は次の通りです。

第1週目(8月28日〜9月3日):北部では期間のはじめは高気圧におおわれて概ね晴れるが、その後は気圧の谷や前線の影響で曇りの日が多く、雨の降るところがある。南部では高気圧におおわれて概ね晴れる見込み。
 気温は高い確率が80%。

第2週目(9月4日〜9月10日):気圧の谷や前線の影響で、東北地方は平年と同様に曇りや雨の日が多い見込み。
 気温は高い確率が70%。

 また、この先1週間の予想によると、偏西風は蛇行・北上した状態が続き,南から暖かい空気が入り続けると予想されます。



8月27日発表:1ヶ月予報(8月28日から9月27日)

 9月3日現在における冷害危険度地帯別にみた過去7日間の平均的な気象経過は、次の通りです。

この地帯の詳細については冷害危険度地帯とその特徴をご覧ください。


                              9月3日現在
 現在、東北地域の水稲は糊熟期から成熟期直前にあります。
 過去7日間の地帯別平均的気象経過は上表の通りです。気温は全般的にかなり高く推移しています。今後も気温は高く経過すると予想されています。出穂期から糊熟期までの期間、高温で経過しています。早期落水しますと胴割れや品質の低下を助長します。適期落水を実施してください。
 アメダス監視地点、モニター圃場や盛岡の穂の発育予測図からみると、生育が7日〜10程度早くなっています。各県の技術・予察情報、図説(高温障害編)の情報ならびに高温障害警戒メッシュ図と発育予測などを参考にして、生育がかなり進んでいることを十分に考慮して適切な栽培管理を実施して下さい。

 ○間断灌漑で根の活力を維持し、稲体の健全性を保持する。
 ○適期落水の実施。
 
 
警戒メッシュ説明:
 右図は平均気温の過去5日間平均値を水田分布メッシュ対象で示したものです。栽培管理等の参考にして下さい。
 なお、平均気温区分には次の基準温度を参考にしています。
  ○高温障害に警戒が必要:27度以上
  ○高温障害に注意が必要:26度〜27度
 
  〜25℃
25〜26℃
26〜27℃
27℃以上

警戒メッシュ説明:
 右図は最低気温の過去5日間平均値を水田分布メッシュ対象で示したものです。栽培管理等の参考にして下さい。  
 なお、最低気温区分には次の基準温度を参考にしています。
  ○高温障害に警戒が必要:24度以上
  ○高温障害に注意が必要:23度〜24度
 
  〜22℃
22〜23℃
23〜24℃
24℃以上

<特記事項>
・岩手県(8月5日)から「農作物技術情報 号外 高温対策」が発表されています。
・岩手県(8月10日)からカメムシに関する「病害虫防除速報水稲編No.5」が発表されています。
・秋田県(8月26日)からカメムシに関する発生予察注意報第3号が発表されています。
・山形県(8月6日)からカメムシに関する発生予察注意報第1号が発表されています。
・山形県(8月10日)から「高温と少雨に対応した農作物等の技術対策の徹底について」が発表されています。
・福島県(8月10日)から「高温条件下における農作物等の技術対策」が発表されています。
・福島県(8月12日)からカメムシに関する発生予察注意報第3号が発表されています。
・仙台管区気象台(8月20日)から「長期間の高温と少雨に関する東北地方気象情報 第2号」が発表されています。
・栽培管理上参考にすべき各種気象情報については、仙台管区気象台ホームページの「気象情報発表」「異常天候早期警戒情報」(http://www.jma-net.go.jp/sendai/)を参照ください。

ホームページ参照:

 
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