水稲冷害研究チーム

1999年早期警戒情報


1999年早期警戒情報(6月26日)

No.10

 仙台管区気象台が25日発表した向こう1か月の予報内容は次の通りです。この期間は、梅雨前線や低気圧の影響を受け、平年同様に曇りや雨の日が多いが、後半は平年に比べ晴れの日が多い見込み。平均気温は「高い」と予想されています。
 この先2週間の予報内容は次の通り。
 第1週目(6月26日〜7月2日):27〜28日頃にかけて、低気圧や梅雨前線の影響で天気が崩れるが、その後は高気圧に覆われ、北部を中心に晴れる日が多い。平均気温は高い見込み。
 第2週目(7月3日〜7月9日):梅雨前線や低気圧の影響で平年同様曇りや雨の日が多い。平均気温は平年並の見込み。
 このように、気温は今後1週間では高く推移すると予想されています。上空の偏西風の流れ、オホーツク高気圧指数などの予測結果を参考に総合的に判断すると、オホーツク海高気圧が発達する可能性は小さいものと予想されます。


6月25日発表:1ヶ月予報(6月24日から7月25日)

 月1日現在における冷害危険度地帯別にみた過去7日間の平均的な気象経過は、次の通りです。

地帯 実況
平均
実況
最高
実況
最低
実況
降水量
実況
日照
移動
平均
移動
最高
移動
最低
移動
降水量
移動
日照
平年偏差(移動平均−平年)
平均 最高 最低 降水量 日照
119.924.216.72.31.219.422.616.720.71.80.60.21.114.7-0.3
218.421.815.73.60.319.223.016.04.83.70.80.61.11.1-1.5
319.022.116.94.80.019.823.516.65.83.50.50.20.80.4-0.4
417.921.315.57.90.218.722.315.74.83.70.80.31.50.3-1.0
520.022.917.73.40.120.223.817.28.83.20.1-0.30.53.5-0.2
618.221.315.84.51.517.720.814.916.92.20.5-0.11.211.2-0.4
719.523.316.40.90.519.222.416.616.62.10.50.00.810.50.1
816.318.014.815.50.317.019.315.06.12.11.00.21.81.4-2.3
注)実況値は当該月日の値、移動値は前7日間の移動平均値、平年偏差は移動平均から平年値を差し引いた値をそれぞれ示す。

この地帯の詳細については冷害危険度地帯とその特徴をご覧ください。



                              7月2日現在
平均気温最高気温最低気温
  〜17.0℃
17.0〜19.0℃
19.0〜21.0℃
21.0℃以上
  〜20.0℃
20.0〜22.0℃
22.0〜24.0℃
24.0℃以上
  〜12.0℃
12.0〜14.0℃
14.0〜16.0℃
16.0℃以上


現在、東北地域の水稲は分げつ中期〜盛期にあります。
過去7日間の地帯別平均的気象経過は上表の通りです。気温は平年並みから高く推移し、今後とも平年より高く経過すると予想されます。今までの気象と生育経過をみると、特に地帯4と8においては、葉齢からみた生育の進み方が平年よりかなり早くなっているものと推察されます。そのため、栽培管理に当たってはこの点を十分考慮する必要があります。
各県の稲作技術・予察情報ならびに『図説:水管理』などを参考にして、適正な水管理、中干しの実施、葉いもちの発生予防対策等に注意が必要です。
また、葉いもち病の発生に注意すべき時期になりました。予防粒剤の散布などいもち病の発生予防に万全を期す必要があります。なお、このところの降雨により感染好適条件が一部地域に出現したものと推定されています(『生育・作柄情報』−『葉いもち予察情報』頁参照)。これら地域は早期発見・早期防除に留意する必要があります。

高温時:浅水管理による分げつ発生の促進。有効茎数を確保した水田から中干しの実施。
低温時:深水管理
 


警戒メッシュ説明:
上図は平均・最高・最低気温の過去7日間平均値を水田分布メッシュ対象で示したものです。生育を促進するための水管理等の参考にして下さい。
なお、気温区分には下の基準温度等を参考にしています。
○ 冷温障害が懸念される平均気温(要深水管理):13度以下
○ 生育促進のため水管理に注意が必要な平均気温:13〜16度
○ 他の区分温度は、東北全域の気温推移を把握するために設定しています。
○ 最高と最低気温は日較差を把握するためで、日較差が大きいほど分げつ形成に有利といわれています。
 
 
ホームページ参照:

 
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