水稲冷害研究チーム

2006年早期警戒情報

2006年早期警戒情報（5月20日）

No.5

＜特に注意を要する事項＞
　東北太平洋側を中心に２週目は低温となる可能性が大きいでしょう。

　仙台管区気象台が１９日に発表した向こう１か月予報によると、この期間、天気は数日の周期で変化する。太平洋側では、２週目を中心にオホーツク海高気圧の影響を受ける時期があり、平年に比べ曇りの日が多い見込み。日本海側では平年と同様に晴れの日が多い見込み。
　平均気温は均してみると日本海側で平年並、太平洋側で平年並か低い予想です。予想される気温区分確率は、第１週については低い可能性が２０％、同平年並み４０％、同高い４０％。同じく第２週については日本海側で低い可能性が４０％、同平年並み４０％、同高い２０％、太平洋側側で低い可能性が５０％、同平年並み３０％、同高い２０％です。この先２週間の天候予想は次の通りです。

第１週目(5月20日～5月26日)：期間のはじめに高気圧に覆われて晴れの日があるが、その他の日は気圧の谷や前線の影響で曇りや雨となる。なお、20 日は低気圧や前線の影響による大雨に注意が必要。
　平均気温は平年並か高い。

第２週目(5月27日～6月2日)：天気は数日の周期で変化する。日本海側は平年と同様に晴れの日が多い。太平洋側は平年に比べ曇りや雨の日が多い。
　平均気温は日本海側で平年並、太平洋側で平年並か低い。

　また、この先１週間における偏西風の流れの予想によると、偏西風は期間の前半は北上し南から温かい空気が入るが、後半には日本付近で蛇行し、北に中心をもつ高気圧の影響を受ける見込み。

○5月19日発表：１ヶ月予報（5月20日から6月19日）

　5月26日現在における冷害危険度地帯別にみた過去７日間の平均的な気象経過は、次の通りです。

地帯	実況平均	実況最高	実況最低	実況降水量	実況日照	移動平均	移動最高	移動最低	移動降水量	移動日照	平年偏差（移動平均－平年）
地帯	実況平均	実況最高	実況最低	実況降水量	実況日照	移動平均	移動最高	移動最低	移動降水量	移動日照	平均	最高	最低	降水量	日照
1	15.8	21.2	9.3	0.0	2.1	16.6	21.8	11.3	1.0	5.7	0.7	0.7	0.4	-2.2	0.5
2	14.6	19.5	8.4	0.0	4.4	14.9	19.8	9.0	1.5	6.7	-0.0	-0.2	-1.1	-1.0	0.9
3	15.3	21.5	8.8	0.0	5.4	15.2	20.0	9.8	2.9	6.0	-0.5	-0.6	-1.2	-0.3	0.4
4	15.0	21.5	7.8	0.0	4.9	15.3	20.9	9.2	1.1	6.3	0.6	0.9	-0.5	-2.0	0.8
5	16.5	22.9	9.8	0.0	3.3	16.2	21.2	11.0	2.2	5.8	-0.1	-0.5	-0.3	-0.8	0.0
6	14.3	21.0	7.2	0.0	3.8	15.2	20.8	9.3	0.3	5.8	0.7	0.9	0.3	-2.7	0.2
7	15.5	20.6	9.6	0.0	3.2	16.2	20.9	11.4	0.7	6.2	0.3	-0.1	-0.0	-2.1	0.8
8	13.4	18.8	7.6	0.0	3.7	14.2	19.4	8.2	2.1	6.5	1.0	1.9	-0.9	-0.9	1.0

注）実況値は当該月日の値、移動値は前７日間の移動平均値、平年偏差は移動平均から平年値を差し引いた値をそれぞれ示す。

この地帯の詳細については冷害危険度地帯とその特徴をご覧ください。

　現在、東北地域の水稲は田植え盛期から活着期にあります。
　過去７日間の地帯別平均的気象経過は上表の通りです。気温はほぼ平年並みで経過しています。また今年は寒暖の変動が大きいのも特徴です。田植えは北部を中心に最盛期に入ります。田植え日は育苗中の苗の状態とその後の活着のことを充分考慮して判断して下さい。　このようなことから、本情報にある気象障害監視のポイント、気温指標、参照リンクならびに各県の技術・予察情報などを参考にして、育苗期の温度や潅水の管理、田植え時期の判定、田植え後の水管理には細心の注意を払って下さい。

○低温時：育苗期の苗立枯病（フザリウム属菌・ピシウム属菌・リゾプス属菌）の発生。深水管理による活着・生育障害の防止。
○高温時：育苗期における軟弱徒長や過繁茂による苗の老化ならびに細菌病（もみ枯細菌病・苗立枯細菌病）の発生。浅水管理による分げつ促進、表土剥離や有害物質の発生防止。

5月26日現在

警戒メッシュ説明：
　右図は平均気温の過去７日間平均値で活着障害を監視する目的で、水田分布メッシュを対象に示したものです。育苗管理や田植え時期の判定等の参考にして下さい。なお、警戒メッシュは下の基準温度を使用しています。（詳細は気象障害監視のポイントを参照。）
　　　　基準気温　　　　障害の程度
　　　①９℃以下　　　　生育が著しく抑制される。
　　　②１２℃以下　　　生育の遅れが懸念される。
　　　③１５℃以下　　　活着は普通に進む。
　　　④１５℃以上　　　活着とその後の生育は急速に進む。

＜特記事項＞
・栽培管理上参考にすべき各種気象情報については、仙台管区気象台ホームページの「気象情報発表」コーナー（http://www.sendai-jma.go.jp/）を参照ください。

	～9℃	著しい生育抑制
	9～12℃	生育遅れ
	12～15℃	普通の生育
	15℃以上	急速な生育

ホームページ参照：

reigai@ml.affrc.go.jp