水稲冷害研究チーム

2006年早期警戒情報


2006年早期警戒情報(5月27日)
No.6
<特に注意を要する事項>
 東北南部では、太平洋側を中心に5月上旬後半から日照時間の少ない状態が続いています。東北地方は今後1か月平年に比べ曇りや雨の日が多い見込みです。

 仙台管区気象台が26日に発表した向こう1か月予報によると、この期間、天気は数日の周期で変化する。低気圧やオホーツク海高気圧の影響を受けやすく、平年に比べ曇りの日が多い見込み。
 平均気温は均してみると平年並か低い予想です。予想される気温区分確率は、第1週については低い可能性が30%、同平年並み40%、同高い30%。同じく第2週については低い可能性が40%、同平年並み40%、同高い20%です。この先2週間の天候予想は次の通りです。

第1週目(5月27日〜6月2日):期間の前半は気圧の谷の影響で雨の日があるが、期間の後半は高気圧に覆われて概ね晴れる。
 平均気温は平年並。

第2週目(6月3日〜6月9日):天気は数日の周期で変化する。低気圧やオホーツク海高気圧の影響を受けやすく、平年に比べ曇りや雨の日が多い。
 平均気温は平年並か低い。

 また、この先1週間における偏西風の流れの予想によると、偏西風は期間の前半は日本付近で大きく蛇行し北から寒気が入りやすく、後半には北上し南から温かい空気が入る見込み。



5月26日発表:1ヶ月予報(5月27日から6月26日)

 6月2日現在における冷害危険度地帯別にみた過去7日間の平均的な気象経過は、次の通りです。

地帯 実況
平均
実況
最高
実況
最低
実況
降水量
実況
日照
移動
平均
移動
最高
移動
最低
移動
降水量
移動
日照
平年偏差(移動平均−平年)
平均 最高 最低 降水量 日照
117.624.112.20.08.117.621.814.05.74.40.6-0.11.73.0-0.5
214.218.710.00.12.916.019.712.62.52.8-0.2-1.51.00.5-2.9
314.919.910.90.14.416.219.713.12.82.7-0.9-2.30.50.3-3.1
414.218.810.60.32.015.419.512.12.53.0-0.4-1.41.10.1-2.2
516.823.511.30.09.217.321.413.81.73.8-0.4-1.60.9-0.5-1.9
614.219.79.00.14.415.420.311.44.84.40.1-0.21.22.1-0.7
717.624.912.10.09.017.321.314.05.74.50.3-0.51.42.8-0.5
812.415.29.21.71.113.416.710.64.53.6-0.6-1.30.51.8-1.5
注)実況値は当該月日の値、移動値は前7日間の移動平均値、平年偏差は移動平均から平年値を差し引いた値をそれぞれ示す。

この地帯の詳細については冷害危険度地帯とその特徴をご覧ください。


 現在、東北地域の水稲は田植え終盤から分げつ始めにあります。
 過去7日間の地帯別平均的気象経過は上表の通りです。気温はほぼ平年並みで経過しています。田植えは北部を中心に終盤に入ります。なお、南部を中心に日照不足が続いています。  このようなことから、本情報にある気象障害監視のポイント、気温指標、参照リンクならびに各県の技術・予察情報などを参考にして、田植え後の水管理には細心の注意を払って下さい。

○低温時:深水管理による活着・生育障害の防止。

○高温時:浅水管理による分げつ促進、表土剥離や有害物質の発生防止。

6月2日現在
警戒メッシュ説明:
 右図は平均気温の過去7日間平均値で活着障害を監視する目的で、水田分布メッシュを対象に示したものです。育苗管理や田植え時期の判定等の参考にして下さい。なお、警戒メッシュは下の基準温度を使用しています。(詳細は気象障害監視のポイントを参照。)
    基準気温      障害の程度
   @13℃未満     草丈・根の生育が停止し、生育遅延が生じる。
   A13℃〜15℃   分げつ形成が停止し、有効分げつ確保が遅れる。
   B15℃〜17℃   17℃以上の地域に比較して生育が緩慢となる。
   C17℃以上     順調な生育が期待できる。

<特記事項>
・栽培管理上参考にすべき各種気象情報については、仙台管区気象台ホームページの「気象情報発表」コーナー(http://www.sendai-jma.go.jp/)を参照ください。

  〜13℃草丈・根の伸長停止
13〜15℃分げつ形成停止
15〜17℃生育緩慢
17℃以上急速な生育
ホームページ参照:

 
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