水稲冷害研究チーム

2000年早期警戒情報


2000年早期警戒情報(6月24日)

No.10

 仙台管区気象台が23日発表した向こう1か月予報によると、前線や気圧の谷の影響を受け平年同様曇りや雨の日が多いが、前線の活動が不活発となって晴れる日もある見込み。また、東北太平洋側を中心にオホーツク海高気圧の影響を受け、天気のぐずつく時期がある。平均気温は平年並か高いと予想されています。
 気温が低い確率が20%、同平年並み40%、同高い40%となっています。この先2週間の予想は次の通り。
 第1週目(6月24日〜6月30日):期間を通して曇りの日が多く、期間の初めと終わりは気圧の谷や前線の影響で雨が降る。平均気温は高い見込み。
 第2週目(7月1日〜7月7日):前線の活動は不活発だが、オホーツク海高気圧の影響を受け東北太平洋側を中心に平年同様曇りや雨の日が多い。平均気温は平年並の見込み。
 また、この先1週間における偏西風の流れの予想や各種情報によると、偏西風の蛇行の程度は大きく、オホーツク海高気圧の影響を受ける可能性が高いと思われます。


6月23日発表:1ヶ月予報(6月22日から7月23日)

 月30日現在における冷害危険度地帯別にみた過去7日間の平均的な気象経過は、次の通りです。

地帯 実況
平均
実況
最高
実況
最低
実況
降水量
実況
日照
移動
平均
移動
最高
移動
最低
移動
降水量
移動
日照
平年偏差(移動平均−平年)
平均 最高 最低 降水量 日照
124.029.519.50.42.320.123.317.24.32.11.50.91.8-1.8-0.7
222.527.418.31.71.419.723.416.74.83.21.41.21.91.0-2.5
323.428.618.75.21.820.824.717.57.72.51.51.51.92.1-1.8
421.025.517.13.00.919.423.615.94.23.81.71.71.9-0.3-1.3
525.430.620.60.13.521.325.417.95.53.01.21.31.4-0.1-0.8
622.827.518.40.03.918.922.215.73.63.01.91.32.4-0.9-0.1
724.229.819.70.03.120.023.317.14.32.31.31.01.5-1.3-0.6
818.721.716.22.20.917.420.215.35.13.11.51.12.20.5-1.7
注)実況値は当該月日の値、移動値は前7日間の移動平均値、平年偏差は移動平均から平年値を差し引いた値をそれぞれ示す。

この地帯の詳細については冷害危険度地帯とその特徴をご覧ください。



                              6月30日現在
 現在、東北地域の水稲は分げつ中期から枝梗分化期にあります。
 過去7日間の地帯別平均的気象経過は上表の通りです。気温は全般的にかなり高く、日照時間はかなり多く推移しています。しかし、今後は梅雨前線も北上し、またオホーツク海高気圧の影響もあり、ぐずついた天気となると予想されます。また太平洋側沿岸部を中心に気温が下がることも予想されます。
 5月上旬に田植えした宮城県など南部の水稲は、早いものが枝梗分化期と幼穂形成期の中間にあります。これからは追肥や中干しなど重要な生育制御技術や葉いもちの予防防除を実施する時期です。各県の技術・予察情報、図説の情報ならびに冷温障害警戒メッシュ図と発育予測・葉いもち予察情報などを参考にして、適切な栽培管理を実施して下さい。

  ○低温時:深水管理による冷温障害回避
  ○高温時:浅水管理による分げつ促進、有害物質の発生防止、中干しによる生育制御
 
警戒メッシュ説明:
 右図は平均気温の過去7日間平均値を水田分布メッシュ対象で示したものです。栽培管理等の参考にして下さい。
 なお、平均気温区分には次の基準温度を参考にしています。
   ○水管理要注意(保温的水管理):16度以下
   ○葉いもち注意:19度以上
 
  〜16℃冷温障害注意
16〜19℃
19〜22℃葉いもち注意
22℃以上


 
ホームページ参照:

 
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