水稲冷害研究チーム

2000年早期警戒情報


2000年早期警戒情報(7月1日)

No.11

仙台管区気象台が30日発表した向こう1か月予報によると、梅雨前線の活動が不活発なため、東北地方への梅雨前線の影響は弱い。また、太平洋側を中心にオホーツク海高気圧の影響を受ける時期がある見込み。このため、東北日本海側では平年より晴れる日が多いが、東北太平洋側では、平年と同様に曇りの日が多い見込み。平均気温は平年並と予想されています。
気温が低い確率が30%、同平年並み50%、同高い20%となっています。この先2週間の予想は次の通り。
第1週目(7月1日〜7月7日):明日(1日)は低気圧の影響で雨の降る所があるが、その後は前線の活動が弱まるため、曇りまたは晴れの天気となる見込み。平均気温は高い見込みです。
第2週目(7月8日〜7月14日):前線の活動は不活発で、東北日本海側では晴れの日が多いが、東北太平洋側では、オホーツク海高気圧の影響をうけるため曇りの日が多く、低温となる。平均気温は低い見込み。
また、この先1週間における偏西風の流れの予想や各種情報によると、偏西風の蛇行の程度は複雑であり、一時的にオホーツク海高気圧の影響を受ける可能性もあると思われます。


6月30日発表:1ヶ月予報(6月29日から7月30日)

 月7日現在における冷害危険度地帯別にみた過去7日間の平均的な気象経過は、次の通りです。

地帯 実況
平均
実況
最高
実況
最低
実況
降水量
実況
日照
移動
平均
移動
最高
移動
最低
移動
降水量
移動
日照
平年偏差(移動平均−平年)
平均 最高 最低 降水量 日照
120.723.918.31.70.622.927.419.83.52.73.54.33.6-2.1-0.1
220.824.918.00.05.222.326.719.20.95.13.33.83.5-3.50.2
323.127.818.30.07.022.926.719.63.74.02.82.63.3-2.1-0.2
421.025.617.80.05.121.725.918.61.94.03.23.53.7-3.1-1.1
523.027.718.60.05.123.628.220.22.43.82.93.33.0-3.4-0.4
620.024.516.23.12.921.125.418.02.93.43.44.23.6-1.2-0.1
721.224.219.00.40.323.127.919.84.13.83.74.73.4-1.60.5
818.219.716.90.00.119.422.417.31.82.22.82.73.2-3.7-2.3
注)実況値は当該月日の値、移動値は前7日間の移動平均値、平年偏差は移動平均から平年値を差し引いた値をそれぞれ示す。

この地帯の詳細については冷害危険度地帯とその特徴をご覧ください。



                              7月7日現在
現在、東北地域の水稲は分げつ中期から幼穂形成期直前にあります。
 過去7日間の地帯別平均的気象経過は上表の通りです。気温は全般的にやや高く、日照時間はやや少なく推移しています。今後は梅雨前線の活動が弱まり、また気温が高く経過すると予想されています。しかし、一時的にオホーツク海高気圧の影響もあり、太平洋側沿岸部を中心に気温が下がることも予想されます。
 5月上旬に田植えした宮城県など南部の水稲は、早いものが幼穂形成期直前にあります。モニター圃場や盛岡の葉齢進度予測図からみると、生育が7日程度早まっていると推定されます。これからは追肥や中干しなど重要な生育制御技術や葉いもちの予防防除を実施する時期です。各県の技術・予察情報、図説の情報ならびに冷温障害警戒メッシュ図と発育予測・葉いもち予察情報などを参考にして、適切な栽培管理を実施して下さい。

 ○低温時:前歴深水管理による冷温障害回避
 ○高温時:浅水管理による分げつ促進、有害物質の発生防止、中干しによる生育制御
 
警戒メッシュ説明:
 右図は平均気温の過去7日間平均値を水田分布メッシュ対象で示したものです。栽培管理等の参考にして下さい。
 なお、平均気温区分には次の基準温度を参考にしています。
  ○水管理要注意(保温的水管理):16度以下
  ○葉いもち注意:19度以上
 
  〜16℃冷温障害注意
16〜19℃
19〜22℃葉いもち注意
22℃以上


 
ホームページ参照:

 
GotoHome Prev Next Return Opinion
 

reigai@tnaes.affrc.go.jp