水稲冷害研究チーム

2003年早期警戒情報


2003年早期警戒情報(7月5日)
No.11
 仙台管区気象台が4日発表した向こう1か月予報によると、この期間の天気は、東北日本海側では天気は概ね周期的に変わるが、東北太平洋側では前線やオホーツク海高気圧の影響を受けやすく曇りや雨の日が多い。
 平均気温は均してみると平年並か低い予想です。予想される気温区分確率は、第1週については、東北日本海側では低い可能性が50%、同平年並み40%、同高い10%、東北太平洋側では低い可能性が60%、同平年並み30%、同高い10%。同じく第2週については低い可能性が40%、同平年並み40%、同高い20%です。この先2週間の天候予想は次の通りです。
 第1週目(7月5日〜7月11日): 向こう一週間、気圧の谷や前線の影響で曇りや雨の日が多い。
 平均気温は低い。なお、東北太平洋側を中心に最高気温の低い状態が続く。
 第2週目(7月12日〜7月18日):前線やオホーツク海高気圧の影響を受けやすく、曇りや雨の日が多い。
 平均気温は平年並か低い。
 また、この先1週間における偏西風の流れの予想によると、偏西風は日本付近で大きく蛇行・南北に分流し、ブロッキング高気圧がオホーツク海付近に引き続き居すわり、オホーツク海高気圧の影響を受ける見込みです。



7月4日発表:1ヶ月予報(7月5日から8月4日)

 7月11日現在における冷害危険度地帯別にみた過去7日間の平均的な気象経過は、次の通りです。

地帯 実況
平均
実況
最高
実況
最低
実況
降水量
実況
日照
移動
平均
移動
最高
移動
最低
移動
降水量
移動
日照
平年偏差(移動平均−平年)
平均 最高 最低 降水量 日照
123.127.720.011.71.418.821.616.410.90.8-2.0-3.0-1.24.7-1.9
221.625.019.13.12.218.822.215.96.72.1-1.5-2.0-1.02.1-2.0
320.922.719.67.20.120.023.117.412.61.9-1.3-2.1-0.76.3-2.0
421.625.918.46.63.318.521.415.810.31.7-1.5-2.6-0.75.0-2.0
521.824.320.211.70.119.923.017.311.52.1-1.8-2.8-1.05.3-1.4
621.827.018.86.10.917.420.515.16.20.8-2.0-2.8-0.90.2-2.4
722.627.319.610.81.718.621.416.211.71.1-2.2-3.1-1.56.1-1.8
819.523.817.03.53.516.118.314.57.61.1-1.9-2.7-1.02.8-2.2
注)実況値は当該月日の値、移動値は前7日間の移動平均値、平年偏差は移動平均から平年値を差し引いた値をそれぞれ示す。

この地帯の詳細については冷害危険度地帯とその特徴をご覧ください。


 現在、東北地域の水稲は最高分げつ期から幼穂形成期にあります。
 過去7日間の地帯別平均的気象経過は上表の通りです。最高気温は東北太平洋側北部沿岸部で24日から偏東風の影響でかなり低く推移しています。今後も平均気温は低く推移すると予想されています。
 このようなことから、本情報にある気象障害監視のポイント、気温指標、葉齢進度予測、葉いもち予察、参照リンクならびに各県の技術・予察情報などを参考にして、葉いもちの防除、中干しの実施や普段の水管理などには細心の注意を払って下さい。

○低温時:幼穂形成期から減数分裂期前までの前歴深水管理(水深10cm)の徹底
(技術情報参照)

7月11日現在
警戒メッシュ説明:
 右図は平均気温の過去7日間平均値で低温被害を監視する目的で、水田分布メッシュを対象に示したものです。前歴・危険期深水管理等の栽培管理の参考にして下さい。なお、警戒メッシュは、平均気温前7日間の移動平均を用いて下の基準温度を使用しています。(詳細は気象障害監視のポイントを参照。)
    基準気温          障害の程度
   @17℃未満の地域(赤)  :かなりの被害が予想されるため深水管理を実施する。
   A17℃〜20℃の地域(黄):耐冷性の弱い品種などでは被害が予想されるため、深水管理を実施する。
   B20℃〜22℃の地域(青):予防的な深水管理の実施を検討する。
   C22℃以上の地域(緑)  :被害は予想されない。

  〜17℃かなりの被害が予想されるため深水管理を実施する。
17〜20℃耐冷性の弱い品種などでは被害が予想されるため、深水管理を実施する。
20〜22℃予防的な深水管理の実施を検討する。
22℃以上被害は予想されない。
<特記事項>
・中干しは幼穂形成期までには終えることが重要です。
・6月17日以後、いもち病の感染好適条件が各地で観測されています。
・6月30日に東北太平洋側の低温に関する東北地方気象情報第2号が発表されています。
・7月4日に東北太平洋側の低温と日照不足に関する東北地方気象情報第3号が発表されています。
・青森県東青津軽、北五津軽、下北、三八上北、岩手県沿岸北部、沿岸南部に低温注意報が出されています。
・岩手県(7月2日):葉いもちに関する注意報が出されています。
・山形県(7月2日):斑点米カメムシ類に関する注意報が出されています。
ホームページ参照:

 
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