水稲冷害研究チーム

2004年早期警戒情報


2004年早期警戒情報(6月12日)
No.8
 仙台管区気象台が11日発表した向こう1か月予報によると、この期間の天気は周期的に変化し、東北日本海側では平年に比べて晴れの日が多い。東北太平洋側では、梅雨前線やオホーツク海高気圧の影響で、平年と同様に曇りや雨の日が多い。
 平均気温は均してみると高い予想です。予想される気温区分確率は、第1週については低い可能性が10%、同平年並40%、同高い50%。同じく第2週については低い可能性が20%、同平年並30%、同高い50%です。この先2週間の天候予想は次の通りです。

第1週目(6月12日〜6月18日):明日(12日)は曇りや雨となる所が多いが、その他の日は高気圧に覆われておおむね晴れる。
 平均気温は高い。

第2週目(6月19日〜6月25日):天気は数日の周期で変化するが、梅雨前線や低気圧の影響で、平年と同様に曇りや雨の日が多い。
 平均気温は高い。

 また、この先1週間における偏西風の流れの予想によると、偏西風はさらに北上し、南の高気圧の影響で暖かい空気が入る見込みです。



6月11日発表:1ヶ月予報(6月12日から7月11日)

 6月18日現在における冷害危険度地帯別にみた過去7日間の平均的な気象経過は、次の通りです。

地帯 実況
平均
実況
最高
実況
最低
実況
降水量
実況
日照
移動
平均
移動
最高
移動
最低
移動
降水量
移動
日照
平年偏差(移動平均−平年)
平均 最高 最低 降水量 日照
120.525.614.70.01.018.524.812.43.07.80.12.2-2.4-1.94.6
219.925.113.80.00.618.223.912.41.18.70.41.7-1.7-2.44.3
319.824.813.70.00.518.323.613.10.88.1-0.60.4-2.0-3.84.0
420.125.913.60.01.618.224.312.31.47.90.72.3-1.2-2.83.8
520.624.914.90.00.518.824.712.91.68.0-0.70.7-2.5-2.63.9
620.324.815.00.01.117.022.910.61.48.10.11.7-2.4-3.34.4
720.625.414.90.00.718.825.012.93.28.20.22.3-2.2-0.84.8
819.324.513.80.01.517.122.411.80.78.61.63.5-0.6-3.44.5
注)実況値は当該月日の値、移動値は前7日間の移動平均値、平年偏差は移動平均から平年値を差し引いた値をそれぞれ示す。

この地帯の詳細については冷害危険度地帯とその特徴をご覧ください。


 現在、東北地域の水稲は分げつ期にあります。
 過去7日間の地帯別平均的気象経過は上表の通りです。平均気温は高く推移しています。今後も気温は高く推移すると予想されています。
 このようなことから、本情報にある気象障害監視のポイント、気温指標、葉齢進度予測、葉いもち予察、参照リンクならびに各県の技術・予察情報などを参考にして、水管理などには細心の注意を払って下さい。

○高温時:表土剥離や有害物質の発生防止。

6月18日現在
警戒メッシュ説明:
 右図は平均気温の過去7日間平均値で活着障害を監視する目的で、水田分布メッシュを対象に示したものです。育苗管理や田植え時期の判定等の参考にして下さい。なお、警戒メッシュは下の基準温度を使用しています。(詳細は気象障害監視のポイントを参照。)
    基準気温    障害の程度
   @13℃未満の地域(赤):草丈・根の生育が停止し、生育遅延が生じる。
   A13℃〜15℃の地域(黄):分げつ形成が停止し、有効分げつ確保が遅れる。
   B15℃〜17℃の地域(青):17℃以上の地域に比較して生育が緩慢となる。
   C17℃以上の地域(緑):順調な生育が期待できる。

<特記事項>
・東北地域は6月7日に入梅となり、またいもち病の蔓延可能域も広がりつつあります。補植用取り置き苗は葉いもちの伝染源となりやすいので至急に処分して下さい。
・福島県(6月11日):葉いもちに関する注意報が出されています。
・栽培管理上参考にすべき各種気象情報については、仙台管区気象台ホームページの「気象情報発表」コーナー(http://www.sendai-jma.go.jp/)を参照ください。

  〜13℃生育遅延
13〜15℃生育遅れ
15〜17℃普通の生育
17℃以上順調な生育
ホームページ参照:

 
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