水稲冷害研究チーム

2007年早期警戒情報


2007年早期警戒情報(5月12日)
No.4
 仙台管区気象台が11日発表した向こう1か月予報によると、この期間、天気は数日の周期で変化する。期間の前半を中心に気圧の谷の影響を受ける。日本海側は平年に比べ曇りや雨の日が多く、太平洋側は平年と同様に晴れの日が多い見込み。
 平均気温は均してみると平年並の予想です。予想される気温区分確率は、第1週については低い可能性が30%、同平年並み40%、同高い30%。同じく第2週については低い可能性が20%、同平年並み40%、同高い40%です。この先2週間の天候予想は次の通りです。

第1週目(5月12日〜5月18日):期間のはじめは気圧の谷の影響で雨の日があるが、期間の中頃は晴れる日もある。
 平均気温は各階級の偏りは小さい。

第2週目(5月19日〜5月25日):天気は数日の周期で変わる。気圧の谷の影響で、日本海側では平年に比べ曇りや雨の日が多い。太平洋側では平年と同様に晴れの日が多い見込み。
 平均気温は平年並または高い確率が40%。

 また、この先1週間における偏西風の予想によると、偏西風の流れ方は日本付近で蛇行の程度が大きく、北から寒気が入りやすい状態が続き、特に終わり頃には低気圧が日本付近で急激に発達すると予想されます。



5月11日発表:1ヶ月予報(5月12日から6月11日)

 5月18日現在における冷害危険度地帯別にみた過去7日間の平均的な気象経過は、次の通りです。

地帯 実況
平均
実況
最高
実況
最低
実況
降水量
実況
日照
移動
平均
移動
最高
移動
最低
移動
降水量
移動
日照
平年偏差(移動平均−平年)
平均 最高 最低 降水量 日照
117.323.211.51.96.314.720.19.93.25.60.00.30.2-0.70.6
214.317.311.83.21.113.317.79.82.93.5-0.4-0.90.90.1-2.0
314.516.712.69.91.513.918.010.63.93.1-0.4-1.10.90.5-2.1
413.817.310.93.21.513.118.09.33.13.4-0.5-0.80.9-0.4-1.7
516.320.013.05.04.414.719.510.52.94.4-0.3-0.70.5-0.5-0.9
615.821.910.00.15.813.919.48.91.65.90.50.80.9-2.00.6
716.722.711.60.77.014.419.710.32.75.7-0.10.20.3-0.70.4
812.715.810.64.80.212.316.19.43.93.60.1-0.41.20.7-1.8
注)実況値は当該月日の値、移動値は前7日間の移動平均値、平年偏差は移動平均から平年値を差し引いた値をそれぞれ示す。

この地帯の詳細については冷害危険度地帯とその特徴をご覧ください。


 現在、東北地域の水稲は田植え盛期から活着期にあります。
 過去7日間の地帯別平均的気象経過は上表の通りです。平均気温は高く経過してきました。今後も平年並から高めと予想されます。田植え日は育苗中の苗の状態とその後の活着のことを充分考慮して判断して下さい。
 このようなことから、本情報にある気象障害監視のポイント、気温指標、参照リンクならびに各県の技術・予察情報などを参考にして、育苗期の温度や潅水の管理、田植え時期の判定には十分に注意して下さい。

○低温時:育苗期の苗立枯病(フザリウム属菌・ピシウム属菌・リゾプス属菌)の発生ならびに田植え後の活着障害
○高温時:育苗期における軟弱徒長や過繁茂による苗の老化ならびに細菌病(もみ枯細菌病・苗立枯細菌病)の発生。

5月18日現在
警戒メッシュ説明:
 右図は平均気温の過去7日間平均値で活着障害を監視する目的で、水田分布メッシュを対象に示したものです。育苗管理や田植え時期の判定等の参考にして下さい。なお、警戒メッシュは下の基準温度を使用しています。(詳細は気象障害監視のポイントを参照。)
    基準気温    障害の程度
   @9℃以下    生育が著しく抑制される。
   A12℃以下   生育の遅れが懸念される。
   B15℃以下   活着は普通に進む。
   C15℃以上   活着とその後の生育は急速に進む。


<特記事項>

  〜9℃著しい生育抑制
9〜12℃生育遅れ
12〜15℃普通の生育
15℃以上急速な生育
ホームページ参照:

 
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