水稲冷害研究チーム

2007年早期警戒情報


2007年早期警戒情報(6月9日)
No.8

<特に注意を要する事項>
1週目は気温がかなり高くなる日がある見込みです。健康管理に注意してください。

 仙台管区気象台が8日発表した向こう1か月予報によると、この期間、天気は期間の初めは平年に比べ晴れの日が多く、その後は前線やオホーツク海高気圧の影響で、平年と同様に曇りや雨の日が多い見込み。
 平均気温は均してみると平年並または高い予想です。予想される気温区分確率は、第1週については低い可能性が10%、同平年並み40%、同高い50%。同じく第2週については低い可能性が30%、同平年並み40%、同高い30%です。この先2週間の天候予想は次の通りです。

第1週目(6月9日〜6月15日):期間の初めと終わりは気圧の谷の影響で曇りや雨となるが、期間の中頃は高気圧に覆われておおむね晴れる。なお、期間の初めは大気の状態が不安定となり、雷や突風、ひょうなどのおそれがあるので注意が必要。
 平均気温は高い確率が50%。
第2週目(6月16日〜6月22日):前線やオホーツク海高気圧の影響で、東北地方は平年と同様に曇りや雨の日が多い見込み。
 平均気温は各階級の確率の偏りは小さい。

 また、この先1週間における偏西風の予想によると、偏西風の流れ方は期間の中頃までは日本付近で分流し、東海域に中心をもつ高気圧の影響を受けやすく、後半には偏西風は北上し、南から暖かい空気が入りやすくなると予想されます。



6月8日発表:1ヶ月予報(6月9日から7月8日)

 6月15日現在における冷害危険度地帯別にみた過去7日間の平均的な気象経過は、次の通りです。

地帯 実況
平均
実況
最高
実況
最低
実況
降水量
実況
日照
移動
平均
移動
最高
移動
最低
移動
降水量
移動
日照
平年偏差(移動平均−平年)
平均 最高 最低 降水量 日照
118.522.315.714.80.819.924.416.14.74.71.61.81.60.41.2
217.720.815.08.92.219.924.515.53.36.52.22.51.90.11.8
318.922.415.97.11.920.625.416.22.36.12.12.61.8-2.31.6
417.119.414.511.10.319.624.715.02.46.02.12.51.8-1.51.7
519.222.116.47.51.020.825.516.52.66.21.51.61.5-1.31.7
616.518.814.99.60.118.623.114.04.05.71.92.01.5-0.21.8
718.121.615.413.60.919.924.416.34.14.81.61.91.70.31.1
815.717.413.88.20.317.622.013.91.46.72.33.11.8-2.52.3
注)実況値は当該月日の値、移動値は前7日間の移動平均値、平年偏差は移動平均から平年値を差し引いた値をそれぞれ示す。

この地帯の詳細については冷害危険度地帯とその特徴をご覧ください。


現在、東北地域の水稲は分げつ期にあります。
 過去7日間の地帯別平均的気象経過は上表の通りです。平均気温は平年並よりやや高く、日照も日本海側を中心に多く経過してきました。しばらくは気温が高めの日が続くと予想されます。
 このようなことから、本情報にある気象障害監視のポイント、気温指標、参照リンクならびに各県の技術・予察情報などを参考にして、水管理には細心の注意を払って下さい。

○低温時:深水管理による生育障害の防止。
 
○高温時:浅水管理による分げつ促進、表土剥離や有害物質の発生防止。

6月15日現在
警戒メッシュ説明:
 右図は平均気温の過去7日間平均値で活着障害を監視する目的で、水田分布メッシュを対象に示したものです。育苗管理や田植え時期の判定等の参考にして下さい。なお、警戒メッシュは下の基準温度を使用しています。(詳細は気象障害監視のポイントを参照。)
    基準気温      障害の程度
   @13℃未満     草丈・根の生育が停止し、生育遅延が生じる。
   A13℃〜15℃   分げつ形成が停止し、有効分げつ確保が遅れる。
   B15℃〜17℃   17℃以上の地域に比較して生育が緩慢となる。
   C17℃以上     順調な生育が期待できる。

<特記事項>

  〜13℃草丈・根の伸長停止
13〜15℃分げつ形成停止
15〜17℃生育緩慢
17℃以上急速な生育
ホームページ参照:

 
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