水稲冷害研究チーム

2007年早期警戒情報


2007年早期警戒情報(6月2日)
No.7

 仙台管区気象台が1日発表した向こう1か月予報によると、この期間、天気は数日の周期で変わり、日本海側は平年に比べて曇りや雨の日が少なく、太平洋側は平年と同様に曇りや雨の日が多い見込み。
 平均気温は均してみると日本海側で平年並、太平洋側で低い予想です。予想される気温区分確率は、第1週については日本海側で低い可能性が30%、同平年並み40%、同高い30%、太平洋側で低い可能性が50%、同平年並み40%、同高い10%。同じく第2週については低い可能性が30%、同平年並み40%、同高い30%です。この先2週間の天候予想は次の通りです。

第1週目(6月2日〜6月8日):明後日(3日)と期間の後半は、気圧の谷や寒気の影響で曇りや雨の日がある。その他の日は高気圧に覆われておおむね晴れるが、太平洋側は湿った東よりの風の影響で朝晩中心に曇る見込み。
 平均気温は太平洋側で低い確率が50%、日本海側では各階級の確率の偏りは小さい。
第2週目(6月9日〜6月15日):天気は数日の周期で変わる。日本海側では平年と同様に晴れの日が多く、太平洋側では平年と同様に曇りや雨の日が多い見込み。
 平均気温は各階級の確率の偏りは小さい。

 また、この先1週間における偏西風の予想によると、偏西風の流れ方は日本付近で分流し、東海域に中心をもつ高気圧の影響を受けやすい状態が続くと予想されます。



6月1日発表:1ヶ月予報(6月2日から7月1日)

 6月8日現在における冷害危険度地帯別にみた過去7日間の平均的な気象経過は、次の通りです。

地帯 実況
平均
実況
最高
実況
最低
実況
降水量
実況
日照
移動
平均
移動
最高
移動
最低
移動
降水量
移動
日照
平年偏差(移動平均−平年)
平均 最高 最低 降水量 日照
119.123.516.03.73.317.822.614.02.14.20.20.30.6-1.00.2
218.924.114.10.67.617.822.813.34.38.40.81.10.61.93.3
320.426.415.11.35.718.824.214.03.18.61.01.80.40.23.8
417.822.514.10.43.817.322.613.02.46.50.60.90.9-0.42.0
520.726.216.34.76.819.425.014.53.58.90.81.50.51.14.1
618.123.114.28.54.616.822.012.21.65.80.91.20.9-1.41.5
719.423.316.61.13.417.922.314.51.94.90.20.00.7-0.80.6
814.917.812.60.01.815.119.211.71.75.20.50.80.7-1.60.5
注)実況値は当該月日の値、移動値は前7日間の移動平均値、平年偏差は移動平均から平年値を差し引いた値をそれぞれ示す。

この地帯の詳細については冷害危険度地帯とその特徴をご覧ください。


現在、東北地域の水稲は分げつ始めから分げつ期にあります。
 過去7日間の地帯別平均的気象経過は上表の通りです。日照は平年並ですが、平均気温は平年並よりやや低めで経過してきました。太平洋側では今後も低めと予想されます。
 このようなことから、本情報にある気象障害監視のポイント、気温指標、参照リンクならびに各県の技術・予察情報などを参考にして、田植え後の水管理には細心の注意を払って下さい。

○低温時:深水管理による活着・生育障害の防止。

○高温時:浅水管理による分げつ促進、表土剥離や有害物質の発生防止。

6月8日現在
警戒メッシュ説明:
 右図は平均気温の過去7日間平均値で活着障害を監視する目的で、水田分布メッシュを対象に示したものです。育苗管理や田植え時期の判定等の参考にして下さい。なお、警戒メッシュは下の基準温度を使用しています。(詳細は気象障害監視のポイントを参照。)
    基準気温      障害の程度
   @13℃未満     草丈・根の生育が停止し、生育遅延が生じる。
   A13℃〜15℃   分げつ形成が停止し、有効分げつ確保が遅れる。
   B15℃〜17℃   17℃以上の地域に比較して生育が緩慢となる。
   C17℃以上     順調な生育が期待できる。

<特記事項>

  〜13℃草丈・根の伸長停止
13〜15℃分げつ形成停止
15〜17℃生育緩慢
17℃以上急速な生育
ホームページ参照:

 
GotoHome Prev Next Return Opinion
 

reigai@ml.affrc.go.jp