水稲冷害研究チーム
2009年早期警戒情報
2009年早期警戒情報
(4月25日)
No.2
<特に注意を要する事項>
1週目は気温が低く、2週目は気温が高くなる見込みで、寒暖の変動が大きいでしょう。
仙台管区気象台が24日発表した向こう1か月予報によると、この期間、天気は数日の周期で変わり、平年に比べ晴れの日が少ない見込み。
平均気温は均してみると平年並みの予想です。予想される気温区分確率は、第1週については低い可能性が50%、同平年並み40%、同高い10%。第2週については低い可能性が10%、同平年並み30%、同高い60%です。この先2週間の天候予想は次の通りです。
第1週目(4月25日〜5月1日):期間のはじめは低気圧の通過や寒気の影響で曇りで雨の日があるが、期間の中頃から終わりは高気圧におおわれて晴れる日が多い見込み。
平均気温は低い確率が50%
第2週目(5月2日〜5月8日):天気は数日の周期で変わる。東北地方は平年に比べ晴れの日が少ない見込み。
平均気温は高い確率が60%。
また、この先1週間における偏西風の予想によると、偏西風の流れ方は前半には日本付近で大きく蛇行・南下し、寒気が入りやすく、後半には北上し暖かい空気が入りやすくなると見込まれます。
○
4月24日発表:1ヶ月予報(4月25日から5月24日)
5月1日現在における冷害危険度地帯別にみた過去7日間の平均的な気象経過は、次の通りです。
この地帯の詳細については
冷害危険度地帯とその特徴
をご覧ください。
現在、東北地域の水稲は育苗期にあります。
過去7日間の地帯別平均的気象経過は上表の通りです。平均気温は高めで経過してきました。今後はしばらくは低め、その後高めで推移すると予想されます。
このようなことから、本情報にある気象障害監視のポイント、気温指標、参照リンクならびに各県の技術・予察情報などを参考にして、育苗期の温度や潅水の管理、田植え時期の判定には十分に注意して下さい。
○低温時:育苗期の苗立枯病(フザリウム属菌・ピシウム属菌・リゾプス属菌)の発生ならびに田植え後の活着障害
○高温時:育苗期における軟弱徒長や過繁茂による苗の老化ならびに細菌病(もみ枯細菌病・苗立枯細菌病)の発生。
5月1日現在
警戒メッシュ説明:
右図は平均気温の過去7日間平均値で活着障害を監視する目的で、水田分布メッシュを対象に示したものです。育苗管理や田植え時期の判定等の参考にして下さい。なお、警戒メッシュは下の基準温度を使用しています。(詳細は気象障害監視のポイントを参照。)
基準気温 障害の程度
@9℃以下 生育が著しく抑制される。
A12℃以下 生育の遅れが懸念される。
B15℃以下 活着は普通に進む。
C15℃以上 活着とその後の生育は急速に進む。
<特記事項>
〜9℃
著しい生育抑制
9〜12℃
生育遅れ
12〜15℃
普通の生育
15℃以上
急速な生育
夏作物生育可能日の移り変わり
湛水直播の可能域の移り変わり
稚苗移植の可能域の移り変わり
中苗・成苗移植の可能域の移り変わり
乾田直播の可能域の移り変わり
ホームページ参照:
東北地方のアメダス実況情報
アメダス監視地点の気象経過図
東北6県技術情報
東北6県予察情報
水田の水収支
寒冷地における水管理の主な役割
寒冷地における水管理のポイント
水田水面の熱収支
水田水面の熱収支5要素の日変化
活着期水管理のポイント
活着期の水温上昇効果
活着期の水温と気温推移
活着期から分げつ期の水管理のポイント
湛水された水田土壌の特徴と窒素の動き
湛水土壌中のリン酸の動きとその効果
苗立枯病
細菌病
苗いもち病
東北地方の温暖化と変動の大きな気象の実態
確率予報の利用法
ブロッキング高気圧と異常天候
reigai@ml.affrc.go.jp