水稲冷害研究チーム

2009年早期警戒情報


2009年早期警戒情報(8月8日)
No.17
<特に注意を要する事項>
期間の前半は、東北太平洋側を中心に日照時間が少ない見込みです。農作物の管理等に十分注意してください。

 仙台管区気象台が7日発表した向こう1か月予報によると、この期間、天気は平年に比べ晴れの日が少ない見込み。
 平均気温は均してみると低い予想です。予想される気温区分確率は、第1週については日本海側で低い可能性が30%、同平年並み40%、同高い30%、太平洋側で低い可能性が40%、同平年並み40%、同高い20%。第2週については低い可能性が30%、同平年並み40%、同高い30%です。この先2週間の天候予想は次の通りです。

第1週目(8月8日〜8月14日):気圧の谷や湿った東風の影響で曇りで雨の降るところがあるが、期間の中頃には晴れるところがある見込み。
 平均気温は、日本海側で各階級の確率の偏りは小さく、太平洋側で平年並または低い確率が40%。

第2週目(8月15日〜8月21日):天気は数日の周期で変わり、平年に比べて晴れの日が少なく、気圧の谷の影響で一時天気はぐずつく見込み。
 平均気温は各階級の確率の偏りは小さい。

 また、この先1週間における偏西風の予想によると、偏西風の流れは日本付近で蛇行し、前半は北の高気圧の影響を受け、後半には寒気が入りやすくなると見込まれます。

 8月14日現在における冷害危険度地帯別にみた過去7日間の平均的な気象経過は、次の通りです。

この地帯の詳細については冷害危険度地帯とその特徴をご覧ください。


 現在、東北地域の水稲は穂ばらみ期から傾穂期にあり、障害型と開花不稔の危険な時期にあります。
 過去7日間の地帯別平均的気象経過は上表の通りです。太平洋側ではやませの影響で気温が低く、日照も少なめで推移しています。今後も日照が少なめで推移すると予想されます。
 現在、水稲の生育は平年並からやや遅い傾向にあります。このようなことから、本情報にある気象障害監視のポイント、各種気温指標、発育予測や葉いもち予察情報、参照リンクならびに各県の技術・予察情報などを参考にして、水管理、穂いもちとカメムシ類の防除などには細心の注意を払って下さい。
 穂いもちの発生と蔓延には特段の警戒が必要です。防除を徹底して下さい。

○低温時:生育時期に応じた水管理による障害回避。
○高温時:気温が異常に高くなる場合には、乳熟期から糊熟期にかけて灌漑水のかけ流しの実施。

8月14日現在
警戒メッシュ説明:
 右図は平均気温の過去7日間平均値で活着障害を監視する目的で、水田分布メッシュを対象に示したものです。育苗管理や田植え時期の判定等の参考にして下さい。なお、警戒メッシュは下の基準温度を使用しています。(詳細は気象障害監視のポイントを参照。)
    基準気温          障害の程度
   @平均気温17℃以下     かなりの受精障害が予想される。
   A平均気温17℃〜20℃   受精障害が懸念される。
   B平均気温20〜22℃    受精障害が心配される。
   C平均気温22℃以上     受精障害は予想されない。

<特記事項>
・岩手県(7日付け)で穂いもちに関する注意報が出されています。
・山形県(4日付け)で穂いもちに関する注意報が出されています。
・宮城県(31日付け)で穂いもちに関する注意報が出されています。
・福島県(29日付け)で穂いもちに関する注意報が出されています。

  〜17℃低温障害警戒
17〜20℃低温障害警戒
20〜22℃低温障害要注意
22℃以上 
ホームページ参照:

 
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