水稲冷害研究チーム

2009年早期警戒情報


2009年早期警戒情報(8月15日)
No.18
 仙台管区気象台が14日発表した向こう1か月予報によると、この期間、天気は日本海側は平年と同様に晴れの日が多く、太平洋側は平年に比べ晴れの日が少ない見込み。
 平均気温は均してみると低い予想です。予想される気温区分確率は、第1週については低い可能性が40%、同平年並み40%、同高い20%。第2週については低い可能性が50%、同平年並み30%、同高い20%です。この先2週間の天候予想は次の通りです。

第1週目(8月15日〜8月21日):期間の中頃までは高気圧に覆われ晴れる日が多いが、太平洋側は湿った東風の影響で曇る日があり、期間の終わりは気圧の谷の影響で曇りで雨の降るところがある見込み。
 平均気温は平年並または低い確率が40%。

第2週目(8月22日〜8月28日):気圧の谷や寒気の影響により、平年に比べ晴れの日が少ない見込み。
 平均気温は各階級の確率の偏りは小さい。

 また、この先1週間における偏西風の予想によると、偏西風の流れはオホーツク海付近で分流し、オホーツク海高気圧の影響を受けると見込まれます。

 8月21日現在における冷害危険度地帯別にみた過去7日間の平均的な気象経過は、次の通りです。

この地帯の詳細については冷害危険度地帯とその特徴をご覧ください。


 現在、東北地域の水稲は出穂期から傾穂期にあり、開花不稔と登熟不良の危険な時期にあります。
 過去7日間の地帯別平均的気象経過は上表の通りです。気温は最高気温が低く、日照も少なめで推移しています。今後も気温は低めで推移すると予想されます。
 現在、水稲の生育は平年並からやや遅い傾向にあります。このようなことから、本情報にある気象障害監視のポイント、各種気温指標、発育予測や葉いもち予察情報、参照リンクならびに各県の技術・予察情報などを参考にして、水管理、穂いもちとカメムシ類の防除などには細心の注意を払って下さい。
 穂いもちの発生と蔓延には特段の警戒が必要です。防除を徹底して下さい。

○低温時:生育時期に応じた水管理による障害回避。
○高温時:気温が異常に高くなる場合には、乳熟期から糊熟期にかけて灌漑水のかけ流しの実施。

8月21日現在
警戒メッシュ説明:
 右図は平均気温の過去7日間平均値で活着障害を監視する目的で、水田分布メッシュを対象に示したものです。育苗管理や田植え時期の判定等の参考にして下さい。なお、警戒メッシュは下の基準温度を使用しています。(詳細は気象障害監視のポイントを参照。)
    基準気温          障害の程度
   @平均気温17℃以下     かなりの受精障害が予想される。
   A平均気温17℃〜20℃   受精障害が懸念される。
   B平均気温20〜22℃    受精障害が心配される。
   C平均気温22℃以上     受精障害は予想されない。

<特記事項>
・福島県(10日付け)で穂いもちに関する注意報が出されています。
・岩手県(7日付け)で穂いもちに関する注意報が出されています。
・山形県(4日付け)で穂いもちに関する注意報が出されています。
・宮城県(31日付け)で穂いもちに関する注意報が出されています。

  〜17℃低温障害警戒
17〜20℃低温障害警戒
20〜22℃低温障害要注意
22℃以上 
ホームページ参照:

 
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