水稲冷害研究チーム

2009年早期警戒情報


2009年早期警戒情報(8月1日)
No.16
<特に注意を要する事項>
この期間、日照時間が少なく、1週目は気温がかなり低くなるところもある見込みです。農作物の管理等に十分注意してください。

 仙台管区気象台が31日発表した向こう1か月予報によると、この期間、天気は平年に比べ晴れの日が少ない見込み。
 平均気温は均してみると平年並または低い予想です。予想される気温区分確率は、第1週については低い可能性が50%、同平年並み40%、同高い10%。第2週については低い可能性が40%、同平年並み30%、同高い30%です。この先2週間の天候予想は次の通りです。

第1週目(8月1日〜8月7日):気圧の谷や梅雨前線の影響で曇りの日が多く、期間のはじめは雨の降るところがある。日本海側では期間の中頃は晴れる見込み。
 平均気温は低い確率が50%。

第2週目(8月8日〜8月14日):平年に比べ晴れの日が少なく、一時、寒気やオホーツク海高気圧の影響を受ける見込み。
 平均気温は各階級の確率の偏りは小さい。

 また、この先1週間における偏西風の予想によると、偏西風の流れはオホーツク海付近で大きく蛇行し、前半はオホーツク海高気圧の影響を受け、後半には暖かい空気が入りやすくなると見込まれます。



7月31日発表:1ヶ月予報(8月1日から8月31日)

 8月7日現在における冷害危険度地帯別にみた過去7日間の平均的な気象経過は、次の通りです。

この地帯の詳細については冷害危険度地帯とその特徴をご覧ください。


 現在、東北地域の水稲は減数分裂期から出穂期にあり、障害型冷害の危険期が続いています。  過去7日間の地帯別平均的気象経過は上表の通りです。気温は北部でやや低めで、日照も少なめで推移しています。気温は今後は平年並みで推移すると予想されます。現在生育は平年並みからやや進んでいるものと予想されます
 このようなことから、本情報にある気象障害監視のポイント、各種気温指標、葉齢進度予測や葉いもち予察情報、参照リンクならびに各県の技術・予察情報などを参考にして、水管理、追肥や葉いもちの防除などには細心の注意を払って下さい。
 特に、カメムシおよび穂いもちの発生と蔓延には警戒が必要です。カメムシ類の密度を低下させるため、水稲出穂15〜10日前までに水田畦畔や雑草地、牧草地の草刈りを必ず実施しましょう。

○低温時:生育時期に応じた深水管理による障害回避。

8月7日現在
警戒メッシュ説明:
 右図は平均気温の過去7日間平均値で活着障害を監視する目的で、水田分布メッシュを対象に示したものです。育苗管理や田植え時期の判定等の参考にして下さい。なお、警戒メッシュは下の基準温度を使用しています。(詳細は気象障害監視のポイントを参照。)
    基準気温      障害の程度
   @17℃未満     かなりの被害が予想されるため深水管理を実施する。
   A17℃〜20℃   耐冷性の弱い品種などでは被害が予想されるため、深水管理を実施する。
   B20℃〜22℃   予防的な深水管理の実施を検討する。
   C22℃以上     被害は予想されない。

<特記事項>
・仙台管区気象台より「低温と日照不足に関する東北地方気象情報 第2号」が出されています。
・宮城県(31日付け)で穂いもちに関する注意報が出されています。
・山形県(24日付け)で葉いもちに関する注意報が出されています。
・福島県(29日付け)で穂いもちに関する注意報が出されています。

  〜17℃低温障害警戒
17〜20℃低温障害警戒
20〜22℃低温障害要注意
22℃以上 
ホームページ参照:

 
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