水稲冷害研究チーム

2002年早期警戒情報


2002年早期警戒情報(8月4日)
No.15
 仙台管区気象台が2日発表した向こう1か月予報によると、この期間、高気圧に覆われて晴れて暑い日もあるが、前線やオホーツク海高気圧の影響で曇りや雨の日が多い。平均気温は平年並の見込み。
 平均気温は均してみると平年並の予想です。1か月予報のアンサンブルメンバーのばらつきの程度は2週目以降も小さく、予報の信頼性は高いと判断されます。予想される気温区分確率は低い可能性が30%、同平年並み50%、同高い20%です。この先2週間の天候予想は次の通りです。
 第1週目(8月3日〜8月9日):期間の初めと終わりは気圧の谷の影響で天気の崩れるところがあるが、その他の日は高気圧に覆われて概ね晴れる。平均気温は平年並み。
 第2週目(8月10日〜8月16日):高気圧に覆われて晴れの日もあるが、前線やオホーツク海高気圧の影響で曇りや雨の日が多い。平均気温は平年並。
 また、この先1週間における偏西風の流れの予想によると、太平洋高気圧の勢力は弱まり、やや不安定な天候になる見込みです。



8月2日発表:1ヶ月予報(8月3日から9月2日)

 8月9日現在における冷害危険度地帯別にみた過去7日間の平均的な気象経過は、次の通りです。

地帯 実況
平均
実況
最高
実況
最低
実況
降水量
実況
日照
移動
平均
移動
最高
移動
最低
移動
降水量
移動
日照
平年偏差(移動平均−平年)
平均 最高 最低 降水量 日照
126.832.122.40.36.825.630.521.82.35.41.92.41.6-2.81.1
224.527.422.316.41.424.428.321.39.72.11.00.61.75.9-3.3
325.929.822.99.61.925.729.422.69.52.61.30.62.34.4-3.1
424.328.921.419.41.224.028.420.99.42.21.00.91.85.0-2.5
527.131.622.70.03.826.531.122.53.05.01.81.61.8-1.7-0.7
624.429.819.95.63.624.229.719.81.74.92.13.51.5-3.50.5
726.831.622.40.26.125.430.121.51.65.51.71.91.2-2.30.8
821.724.819.618.20.221.824.819.511.51.4-0.1-0.40.67.3-2.8
注)実況値は当該月日の値、移動値は前7日間の移動平均値、平年偏差は移動平均から平年値を差し引いた値をそれぞれ示す。

この地帯の詳細については冷害危険度地帯とその特徴をご覧ください。


 現在、東北地域の水稲は減数分裂期から出穂・開花期にあり、障害型冷害の最も危険な時期に入っています。
 過去7日間の地帯別平均的気象経過は上表の通りです。気温はかなり高く推移しています。気温は今後平年並みに経過すると予想されます。
 現在、水稲の生育は平年より数日程度進んでいると予想されます。このようなことから、 本情報にある気象障害監視のポイント、各種気温指標、幼穂と玄米の発育予測や葉いもち予察情報、参照リンクならびに各県の技術・予察情報などを参考にして、水管理、穂いもちとカメムシ類の防除などには細心の注意を払って下さい。

○低温時:生育時期に応じた深水管理による障害回避。

8月9日現在
警戒メッシュ説明:
 右図は平均気温の過去7日間平均値で低温被害を監視する目的で、水田分布メッシュを対象に示したものです。深水管理等の栽培管理の参考にして下さい。なお、警戒メッシュは平均気温前7日間の移動平均値を用いて下の基準温度で図示しています。(詳細は気象障害監視のポイントを参照。)

基準気温障害の程度
@17℃未満の地域かなりの受精障害が予想される。
A17℃〜20℃の地域受精障害が懸念される。
B20℃〜22℃の地域受精障害が心配される。
C22℃以上の地域(緑)受精障害は予想されない。
<特記事項>
いもち病の早期発見と適切な防除に努めてください。
・福島県(7月12日付け)で葉いもちに関する注意報が出されています。
・青森県(7月23日付け)で葉いもちに関する注意報が出されています。
・青森県(7月31日付け)で穂いもちに関する注意報が出されています。
・秋田・山形両県(7月15日付け)で斑点米カメムシ類に関する注意報が出されています。
・青森・岩手両県(7月31日付け)で斑点米カメムシ類に関する注意報が出されています。
・福島県(8月2日付け)で斑点米カメムシ類に関する注意報が出されています。
 
  〜17℃
17〜20℃
20〜22℃
22℃以上
ホームページ参照:

 
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