水稲冷害研究チーム

2005年早期警戒情報


2005年早期警戒情報(7月9日)
No.12
 仙台管区気象台が8日発表した向こう1か月予報によると、この期間の天気は、前線や気圧の谷の影響で、東北地方は平年に比べて曇りや雨の日が多い。期間の中頃を中心に高気圧に覆われて晴れて暑い時期がある見込み。
 平均気温は均してみると平年並の予想です。予想される気温区分確率は、第1週については、低い可能性が20%、同平年並50%、同高い30%。同じく第2週については低い可能性が20%、同平年並40%、同高い40%です。この先2週間の天候予想は次の通りです。

第1週目(7月9日〜7月15日):前線や気圧の谷の影響で曇りや雨の日が多いが、期間の終わりは晴れるところもある。
 平均気温は平年並。

第2週目(7月16日〜7月22日):高気圧に覆われて暑い日があり、東北地方は平年に比べて晴れの日が多い。
 平均気温は平年並か高い。

 また、この先1週間における偏西風の流れの予想によると、偏西風はオホーツク海付近で分流・蛇行し、ブロッキング現象に近い動きとなり、オホーツク海高気圧の影響を受ける可能性もあります。なお、ブロッキング高気圧は長期間居座る特性をもつため、今後の週間予報などの情報には特に注意してください。


7月8日発表:1ヶ月予報(7月9日から8月8日)

 7月15日現在における冷害危険度地帯別にみた過去7日間の平均的な気象経過は、次の通りです。

地帯 実況
平均
実況
最高
実況
最低
実況
降水量
実況
日照
移動
平均
移動
最高
移動
最低
移動
降水量
移動
日照
平年偏差(移動平均−平年)
平均 最高 最低 降水量 日照
123.228.919.53.55.920.123.617.16.71.8-1.2-1.6-1.00.8-1.0
222.527.518.40.36.918.622.115.75.01.9-2.2-2.6-1.80.5-2.3
323.328.419.10.48.520.924.317.87.92.7-1.0-1.5-0.81.8-1.4
421.626.717.60.17.618.021.215.16.52.0-2.5-3.4-2.01.5-1.8
524.129.319.90.47.321.524.818.55.52.2-0.8-1.6-0.3-1.3-1.7
621.225.417.70.46.318.321.215.14.61.7-1.6-2.5-1.4-0.9-1.7
723.529.119.14.16.419.923.217.16.91.6-1.5-2.0-1.20.9-1.2
818.722.615.70.06.915.718.113.67.21.9-2.8-3.6-2.42.8-1.6
注)実況値は当該月日の値、移動値は前7日間の移動平均値、平年偏差は移動平均から平年値を差し引いた値をそれぞれ示す。

この地帯の詳細については冷害危険度地帯とその特徴をご覧ください。


 現在、東北地域の水稲は穂首分化期から幼穂形成期にあります。
 過去7日間の地帯別平均的気象経過は上表の通りです。平均気温は太平洋側北部で低く推移しています。今後平均気温は平年並で推移すると予想されています。これから、水稲にとって低温に最も感受性な時期に入ります。
 このようなことから、本情報にある気象障害監視のポイント、気温指標、葉齢進度予測、幼穂発育予測、葉いもち予察、参照リンクならびに各県の技術・予察情報などを参考にして、葉いもち防除の徹底、カメムシ防除や普段の水管理などには細心の注意を払って下さい。

○低温時:幼穂形成期から減数分裂期前までの前歴深水管理(水深10cm)の徹底
      減数分裂期前から出穂期までの危険期深水管理(水深20cm程度)の徹底
      (気象障害監視のポイントや技術情報を参照のこと)

○高温時:間断灌漑による生育制御や有害物質の発生防止。

7月15日現在
警戒メッシュ説明:
 右図は平均気温の過去7日間平均値で低温被害を監視する目的で、水田分布メッシュを対象に示したものです。前歴・危険期深水管理等の栽培管理の参考にして下さい。なお、警戒メッシュは、平均気温前7日間の移動平均を用いて下の基準温度を使用しています。(詳細は気象障害監視のポイントを参照。)
 基準気温    障害の程度
   @平均気温17℃以下(赤):かなりの被害が予想されるため深水管理を実施する。
   A平均気温17℃〜20℃(黄):耐冷性の弱い品種などでは被害が予想されるため、深水管理を実施する。
   B平均気温20〜22℃(青):予防的な深水管理の実施を検討する。
   C平均気温22℃以上(緑):被害は予想されない。

<特記事項>
・中干しは幼穂形成期前までに終えること。
・東北南部は6月15日に、また北部は6月27日に入梅となり、またいもち病の蔓延可能域は全域に広がってます。
・栽培管理上参考にすべき各種気象情報については、仙台管区気象台ホームページの「気象情報発表」コーナー(http://www.sendai-jma.go.jp/)を参照ください。

  〜17℃要深水管理
17〜20℃深水管理推奨
20〜22℃予防的な深水管理
22℃以上被害は予想されない
ホームページ参照:
 
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