水稲冷害研究チーム

2005年早期警戒情報


2005年早期警戒情報(7月23日)
No.14
 仙台管区気象台が22日発表した向こう1か月予報によると、この期間の天気は、高気圧に覆われて晴れの日もあるが、前線や低気圧の影響で平年に比べて曇りや雨の日が多い。
 平均気温は均してみると平年並の予想です。予想される気温区分確率は、第1週については、低い可能性が50%、同平年並30%、同高い20%。同じく第2週については低い可能性が30%、同平年並50%、同高い20%です。この先2週間の天候予想は次の通りです。

第1週目(7月23日〜7月29日):気圧の谷の影響で曇りや雨の日が多いが、期間のはじめは高気圧に覆われて晴れる日もある。なお、台風の今後の進路によっては、予報が大きく変わることもある。
 平均気温は低い。

第2週目(7月30日〜8月5日):高気圧に覆われて晴れの日もあるが、前線や低気圧の影響で平年に比べて曇りや雨の日が多い。
 平均気温は平年並。

 また、この先1週間における偏西風の流れの予想によると、偏西風は北上し、南から台風第7号が日本付近を通過し、オホーツク海でさらに発達する見込みです。


7月22日発表:1ヶ月予報(7月23日から8月22日)

 7月29日現在における冷害危険度地帯別にみた過去7日間の平均的な気象経過は、次の通りです。

地帯 実況
平均
実況
最高
実況
最低
実況
降水量
実況
日照
移動
平均
移動
最高
移動
最低
移動
降水量
移動
日照
平年偏差(移動平均−平年)
平均 最高 最低 降水量 日照
124.029.818.51.48.022.426.319.28.54.1-1.2-1.7-1.03.90.1
223.629.217.61.12.122.025.918.34.54.1-1.3-1.6-1.40.3-1.0
323.329.218.16.42.022.826.918.95.64.2-1.5-1.6-1.60.4-0.9
422.628.516.72.53.121.826.117.94.54.6-1.2-1.2-1.4-0.3-0.0
525.031.618.80.24.223.427.519.74.93.8-1.3-1.8-1.00.1-1.8
623.830.416.90.87.721.425.917.77.54.6-1.0-0.8-0.93.20.0
724.130.118.51.97.422.426.119.38.74.2-1.3-1.7-1.04.3-0.0
820.924.317.43.12.120.724.317.45.35.5-0.7-0.4-1.11.01.1
注)実況値は当該月日の値、移動値は前7日間の移動平均値、平年偏差は移動平均から平年値を差し引いた値をそれぞれ示す。

この地帯の詳細については冷害危険度地帯とその特徴をご覧ください。


 現在、東北地域の水稲は幼穂形成期から減数分裂期にあります。
 過去7日間の地帯別平均的気象経過は上表の通りです。平均気温は平年並みで推移しています。今後平均気温は期間のはじめに低く推移すると予想されています。またこれから、東北の基幹品種は低温に最も敏感な減数分裂期に入ります。
 このようなことから、本情報にある気象障害監視のポイント、気温指標、葉齢進度予測、幼穂発育予測、葉いもち予察、参照リンクならびに各県の技術・予察情報などを参考にして、いもち病・斑点米カメムシ類防除の徹底や普段の水管理などには細心の注意を払って下さい。特に、いもち病に関しては、管内で感染好適条件が頻発していますので、早期発見と防除を徹底してください。
 また、台風第7号は27,28日頃に東北付近を通過し、オホーツク海で発達する見込みです。厳重に警戒し、事前の対策に万全を期してください。

○低温時:幼穂形成期から減数分裂期前までの前歴深水管理(水深10cm)の徹底
     減数分裂期前から出穂期までの危険期深水管理(水深20cm程度)の徹底
     (気象障害監視のポイントや技術情報を参照のこと)

7月29日現在
警戒メッシュ説明:
 右図は平均気温の過去7日間平均値で低温被害を監視する目的で、水田分布メッシュを対象に示したものです。前歴・危険期深水管理等の栽培管理の参考にして下さい。なお、警戒メッシュは、平均気温前7日間の移動平均を用いて下の基準温度を使用しています。(詳細は気象障害監視のポイントを参照。)
 基準気温    障害の程度
   @平均気温17℃以下(赤):かなりの被害が予想されるため深水管理を実施する。
   A平均気温17℃〜20℃(黄):耐冷性の弱い品種などでは被害が予想されるため、深水管理を実施する。
   B平均気温20〜22℃(青):予防的な深水管理の実施を検討する。
   C平均気温22℃以上(緑):被害は予想されない。

<特記事項>
・宮城県(7月8日):斑点米カメムシ類に関する注意報が出されています。
・山形県(7月14日):斑点米カメムシ類に関する注意報が出されています。
・秋田県(7月14日):アカヒゲホソミドリカスミカメによる斑点米の注意報が出されています。
・岩手県(7月15日):カメムシ類(斑点米の原因となるカスミカメムシ類)に関する注意報が出されています。
・栽培管理上参考にすべき各種気象情報については、仙台管区気象台ホームページの「気象情報発表」コーナー(http://www.sendai-jma.go.jp/)を参照ください。

  〜17℃要深水管理
17〜20℃深水管理推奨
20〜22℃予防的な深水管理
22℃以上被害は予想されない
ホームページ参照:
 
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