水稲冷害研究チーム

2007年早期警戒情報


2007年早期警戒情報(6月30日)
No.11

 仙台管区気象台が29日発表した向こう1か月予報によると、この期間、天気は平年と同様に曇りや雨の日が多い見込み。
 平均気温は均してみると平年並の予想です。予想される気温区分確率は、第1週については低い可能性が日本海側で30%、同平年並み40%、同高い30%、太平洋側では40%、同平年並み40%、同高い20%。同じく第2週については低い可能性が40%、同平年並み30%、同高い30%です。この先2週間の天候予想は次の通りです。

第1週目(6月30日〜7月6日):向こう一週間、梅雨前線や気圧の谷の影響で曇りや雨の日が多いが、期間のはじめは高気圧におおわれ晴れの日がある見込み。
 平均気温は、太平洋側では平年並または低い確率がともに40%、日本海側では各階級の確率の偏りは小さい。

第2週目(7月7日〜7月13日):前線や湿った東風の影響で、東北地方は平年と同様に曇りや雨の日が多い見込み。
 平均気温は各階級の確率の偏りは小さい。

 また、この先1週間における偏西風の流れの予想によると、偏西風は後半になるとオホーツク海付近で分流し、一時的にオホーツク海高気圧の影響を受ける可能性も予想されます。



6月29日発表:1ヶ月予報(6月30日から7月29日)

 7月6日現在における冷害危険度地帯別にみた過去7日間の平均的な気象経過は、次の通りです。

地帯 実況
平均
実況
最高
実況
最低
実況
降水量
実況
日照
移動
平均
移動
最高
移動
最低
移動
降水量
移動
日照
平年偏差(移動平均−平年)
平均 最高 最低 降水量 日照
120.425.415.90.84.719.822.917.08.72.3-0.4-1.20.02.7-0.5
218.222.314.20.73.918.822.215.95.53.1-0.9-1.4-0.31.1-1.0
319.223.015.42.26.819.723.216.36.33.3-1.0-1.2-1.10.5-0.1
418.122.414.11.12.818.421.715.57.42.5-1.1-1.9-0.50.7-1.2
519.923.316.95.53.220.123.317.14.92.1-1.1-1.8-0.5-1.1-1.2
619.124.014.31.65.518.121.215.48.32.2-0.8-1.60.12.5-1.2
720.424.716.21.05.719.622.416.87.62.4-0.8-1.7-0.31.9-0.7
817.520.714.20.81.017.219.814.97.11.9-0.2-0.70.22.0-1.5
注)実況値は当該月日の値、移動値は前7日間の移動平均値、平年偏差は移動平均から平年値を差し引いた値をそれぞれ示す。

この地帯の詳細については冷害危険度地帯とその特徴をご覧ください。


 現在、東北地域の水稲は分げつ期にあります。
 過去7日間の地帯別平均的気象経過は上表の通りです。太平洋高気圧が南から張り出し、気温は全般に平年よりかなり高く推移しています。気温は今後、太平洋側では平年並または低く、日本海側でも平年並で推移すると予想されます。
 現在、東北北部3県、特に太平洋側の水稲の生育は平年より3日〜1週間程度進んでいると予想されます。このようなことから、本情報にある気象障害監視のポイント、各種気温指標、葉齢進度予測や葉いもち予察情報、参照リンクならびに各県の技術・予察情報などを参考にして、水管理、追肥や葉いもちの防除などには細心の注意を払って下さい。

○高温時:中干しや間断灌漑による生育制御や有害物質の発生防止。
○低温時:前歴深水管理による危険期深水効果の増強。

7月6日現在
警戒メッシュ説明:
右図は平均気温の過去7日間平均値で低温被害を監視する目的で、水田分布メッシュを対象に示したものです。前歴・危険期深水管理等の栽培管理の参考にして下さい。なお、警戒メッシュは平均気温は前7日間の移動平均を用いて下の基準温度を使用しています。(詳細は気象障害監視のポイントを参照。)
    基準気温      障害の程度
   @17℃未満     かなりの被害が予想されるため深水管理を実施する。
   A17℃〜20℃   耐冷性の弱い品種などでは被害が予想されるため、深水管理を実施する。
   B20℃〜22℃   予防的な深水管理の実施を検討する。
   C22℃以上     被害は予想されない。

<特記事項>

  〜17℃低温障害警戒
17〜20℃低温障害警戒
20〜22℃低温障害要注意
22℃以上 
ホームページ参照:

 
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