水稲冷害研究チーム

2007年早期警戒情報


2007年早期警戒情報(7月7日)
No.12

<特に注意を要する事項>
東北地方では、向こう1か月は前半を中心に低温となる見込みです。農作物の管理等に注意して下さい。

 仙台管区気象台が6日発表した向こう1か月予報によると、この期間、天気は日本海側は平年と同様に曇りや雨の日が多く、太平洋側は平年に比べて曇りや雨の日が多い見込み。
 平均気温は均してみると低いの予想です。予想される気温区分確率は、第1週については低い可能性が50%、同平年並み40%、同高い10%。同じく第2週については低い可能性が40%、同平年並み40%、同高い20%です。この先2週間の天候予想は次の通りです。

第1週目(7月7日〜7月13日):期間の前半は、北部を中心に高気圧に覆われおおむね晴れるが、太平洋側南部は湿った東風の影響で曇りの日が多い見込み。期間の後半は、梅雨前線や気圧の谷の影響で曇りや雨の見込み。
 平均気温は低い確率が50%。

第2週目(7月14日〜7月20日):前線やオホーツク海高気圧の影響で、日本海側は平年と同様に曇りや雨の日が多く、太平洋側は平年に比べて曇りや雨の日が多い見込み。
 平均気温は平年並または低い確率がともに40%。

 また、この先1週間における偏西風の流れの予想によると、偏西風はオホーツク海付近で分流し、オホーツク海高気圧が発生しやすくなると予想されます。



7月6日発表:1ヶ月予報(7月7日から8月6日)

 7月13日現在における冷害危険度地帯別にみた過去7日間の平均的な気象経過は、次の通りです。

地帯 実況
平均
実況
最高
実況
最低
実況
降水量
実況
日照
移動
平均
移動
最高
移動
最低
移動
降水量
移動
日照
平年偏差(移動平均−平年)
平均 最高 最低 降水量 日照
120.023.517.15.80.820.424.017.16.53.4-0.6-0.9-0.80.40.7
218.524.014.81.94.019.724.515.43.06.7-0.80.1-1.8-1.62.6
321.525.817.84.37.021.626.217.13.66.70.01.0-1.2-3.42.9
416.920.214.63.22.018.522.514.73.25.5-1.2-0.8-1.9-0.52.5
522.426.619.55.14.722.226.718.27.96.30.20.6-0.30.92.5
616.619.314.97.90.617.921.214.54.33.6-1.8-2.3-1.8-1.50.3
720.524.717.06.81.420.524.317.26.84.2-0.5-0.4-0.90.51.8
814.215.113.74.20.016.519.014.13.24.5-1.7-2.4-1.7-1.41.1
注)実況値は当該月日の値、移動値は前7日間の移動平均値、平年偏差は移動平均から平年値を差し引いた値をそれぞれ示す。

この地帯の詳細については冷害危険度地帯とその特徴をご覧ください。


 現在、東北地域の水稲は分げつ期から幼穂形成期にあります。
 過去7日間の地帯別平均的気象経過は上表の通りです。気温は全般に平年より低く推移しています。気温は今後も低く推移すると予想されます。
 現在、東北北部3県の水稲の生育は平年より3日〜1週間程度進んでいると予想されます。このようなことから、本情報にある気象障害監視のポイント、各種気温指標、葉齢進度予測や葉いもち予察情報、参照リンクならびに各県の技術・予察情報などを参考にして、水管理、追肥や葉いもちの防除などには細心の注意を払って下さい。
 とくに中干しは幼穂形成期前に終え、前歴深水管理を徹底してください。その際、圃場水温が下がらないように徐々に深水にしてください。

○低温時:前歴深水管理による危険期深水効果の増強。

7月13日現在
警戒メッシュ説明:
右図は平均気温の過去7日間平均値で低温被害を監視する目的で、水田分布メッシュを対象に示したものです。前歴・危険期深水管理等の栽培管理の参考にして下さい。なお、警戒メッシュは平均気温は前7日間の移動平均を用いて下の基準温度を使用しています。(詳細は気象障害監視のポイントを参照。)
    基準気温      障害の程度
   @17℃未満     かなりの被害が予想されるため深水管理を実施する。
   A17℃〜20℃   耐冷性の弱い品種などでは被害が予想されるため、深水管理を実施する。
   B20℃〜22℃   予防的な深水管理の実施を検討する。
   C22℃以上     被害は予想されない。

<特記事項>
・仙台管区気象台より『低温に関する東北地方気象情報 第1号』が、7月10日に発表されました。
・葉いもちの感染好適条件が太平洋側南部で頻度高く現れています。いもち病の早期発見と適切な防除に努めてください。
・岩手県(4日付け)で葉いもちに関する注意報が出されています。
・宮城県(9日付け)で斑点米カメムシに関する注意報が発令されています。

  〜17℃低温障害警戒
17〜20℃低温障害警戒
20〜22℃低温障害要注意
22℃以上 
ホームページ参照:

 
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