水稲冷害研究チーム

2009年早期警戒情報


2009年早期警戒情報(5月23日)
No.6
<特に注意を要する事項>
 2週目を中心に気温がかなり低くなるおそれがあります。

 仙台管区気象台が22日発表した向こう1か月予報によると、この期間、天気は数日の周期で変わり、平年に比べて晴れの日が少ない見込み。
 平均気温は均してみると平年並または低い予想です。予想される気温区分確率は、第1週については低い可能性が20%、同平年並み50%、同高い30%。第2週については低い可能性が60%、同平年並み30%、同高い10%です。この先2週間の天候予想は次の通りです。

第1週目(5月23日〜5月29日):気圧の谷や寒気の影響で曇りの日が多く、期間のはじめは雨の日がある。期間の中頃には高気圧に覆われ晴れる日がある見込み。
 平均気温は平年並の確率が50%。

第2週目(5月30日〜6月5日):天気は数日の周期で変わり、一時寒気の影響をうける。平年に比べて晴れの日が少ない見込み。
 平均気温は低い確率が60%。

 また、この先1週間における偏西風の予想によると、偏西風の流れは期間の前半に南下・蛇行し、北から寒気が入りやすく、後半には北上し暖かい空気が入りやすくなると見込まれます。
   この先1週間における偏西風の予想によると、偏西風の流れ方は日本付近で蛇行し、北から寒気が入りやすい状態が続くと予想されます。



5月22日発表:1ヶ月予報(5月23日から6月22日)

 5月29日現在における冷害危険度地帯別にみた過去7日間の平均的な気象経過は、次の通りです。

地帯 実況
平均
実況
最高
実況
最低
実況
降水量
実況
日照
移動
平均
移動
最高
移動
最低
移動
降水量
移動
日照
平年偏差(移動平均−平年)
平均 最高 最低 降水量 日照
115.918.613.510.71.516.621.112.42.75.00.2-0.40.9-0.2-0.3
215.620.412.40.06.815.119.611.10.26.6-0.4-0.90.4-2.00.7
318.123.414.00.48.615.819.912.01.16.1-0.5-1.30.4-1.80.5
413.717.111.20.03.814.819.210.60.16.2-0.4-1.20.5-2.51.0
518.222.514.00.06.316.921.313.10.35.9-0.0-1.01.2-2.30.0
612.814.911.911.10.214.820.29.92.05.7-0.10.00.5-0.80.2
716.419.913.61.62.816.621.212.70.55.30.2-0.20.8-2.1-0.2
811.413.010.30.40.013.617.510.10.15.40.0-0.20.6-2.5-0.0
注)実況値は当該月日の値、移動値は前7日間の移動平均値、平年偏差は移動平均から平年値を差し引いた値をそれぞれ示す。

この地帯の詳細については冷害危険度地帯とその特徴をご覧ください。


 現在、東北地域の水稲は田植え終盤から分げつ始めにあります。北部では田植え盛期に入るとみられます。
 過去7日間の地帯別平均的気象経過は上表の通りです。平均気温はやや高めに経過してきましたが、今後は平年並みとなることが予想されています。また、2週目には低温が予想されています。
 このようなことから、本情報にある気象障害監視のポイント、気温指標、参照リンクならびに各県の技術・予察情報などを参考にして、田植え日は育苗中の苗の状態とその後の活着のことを充分考慮して判断して下さい。また、田植後の水管理や除草剤散布の時期の判定には十分注意してください。
○低温時:深水管理による活着・生育障害の防止。

○高温時:浅水管理による分げつ促進、表土剥離や有害物質の発生防止。

5月29日現在
警戒メッシュ説明:
 右図は平均気温の過去7日間平均値で活着障害を監視する目的で、水田分布メッシュを対象に示したものです。育苗管理や田植え時期の判定等の参考にして下さい。なお、警戒メッシュは下の基準温度を使用しています。(詳細は気象障害監視のポイントを参照。)
    基準気温      障害の程度
   @13℃未満     草丈・根の生育が停止し、生育遅延が生じる。
   A13℃〜15℃   分げつ形成が停止し、有効分げつ確保が遅れる。
   B15℃〜17℃   17℃以上の地域に比較して生育が緩慢となる。
   C17℃以上     順調な生育が期待できる。

<特記事項>

  〜13℃草丈・根の伸長停止
13〜15℃分げつ形成停止
15〜17℃生育緩慢
17℃以上急速な生育
ホームページ参照:

 
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