水稲冷害研究チーム

2010年早期警戒情報


2010年早期警戒情報(4月24日)
No.1
<特に注意を要する事項>  期間の前半は気温の変動が大きいでしょう。1週目は気温が低く、かなり低くなるおそれがあります。

 仙台管区気象台が23日発表した向こう1か月予報によると、この期間、天気は数日の周期で変わり、平年と同様に晴れの日が多い見込み。
 平均気温は均してみると低い予想です。予想される気温区分確率は、第1週については低い可能性が80%、同平年並み10%、同高い10%。第2週については低い可能性が20%、同平年並み40%、同高い40%です。この先2週間の天候予想は次の通りです。

第1週目(4月24日〜4月30日):北部では気圧の谷や寒気の影響で曇りや雨または雪の日があるが、期間のはじめは高気圧におおわれて晴れる日もある。南部では期間の中頃は気圧の谷の影響で雨の日があるが、その他の日はおおむね晴れる見込み。なお、期間のはじめは低温により凍霜害のおそれがある。
 平均気温は低い確率が80%。

第2週目(5月1日〜5月7日):天気は数日の周期で変わる。東北地方は平年と同様に晴れの日が多い見込み。
 平均気温は平年並または高い確率が40%。

 また、この先1週間の予想によると、偏西風は日本付近で蛇行し、前半は寒気が入りやすく、また後半には南から暖かい空気が入りやすくなると予想されます。



4月23日発表:1ヶ月予報(4月24日から5月23日)

 4月29日現在における冷害危険度地帯別にみた過去7日間の平均的な気象経過は、次の通りです。

地帯 実況
平均
実況
最高
実況
最低
実況
降水量
実況
日照
移動
平均
移動
最高
移動
最低
移動
降水量
移動
日照
平年偏差(移動平均−平年)
平均 最高 最低 降水量 日照
111.316.47.84.62.88.012.24.29.14.3-4.1-5.4-2.55.7-1.2
29.913.07.75.91.78.112.44.02.65.0-2.9-3.9-1.8-0.1-0.6
310.915.67.86.71.48.813.04.82.94.6-2.7-3.6-1.7-0.9-0.5
410.315.97.43.11.97.311.63.22.74.5-3.3-4.6-1.9-0.5-0.9
510.815.27.92.91.29.113.35.21.95.1-3.0-4.6-1.4-1.5-0.2
611.319.56.810.95.16.311.12.07.24.7-4.6-5.5-3.03.9-0.9
710.514.18.07.11.38.012.04.27.84.3-3.9-5.2-2.44.5-1.2
89.513.96.64.11.56.29.82.33.65.2-3.5-4.4-2.90.7-0.6
注)実況値は当該月日の値、移動値は前7日間の移動平均値、平年偏差は移動平均から平年値を差し引いた値をそれぞれ示す。

この地帯の詳細については冷害危険度地帯とその特徴をご覧ください。


 現在、東北地域の水稲は播種から育苗期にあります。
 過去7日間の地帯別平均的気象経過は上表の通りです。平均気温はかなり低めで経過してきました。今後も低めで推移すると予想されます。
 このようなことから、本情報にある気象障害監視のポイント、気温指標、参照リンクならびに各県の技術・予察情報などを参考にして、育苗期の温度や潅水の管理、田植え時期の判定には十分に注意して下さい。

○低温時:育苗期の苗立枯病(フザリウム属菌・ピシウム属菌・リゾプス属菌)の発生ならびに田植え後の活着障害
○高温時:育苗期における軟弱徒長や過繁茂による苗の老化ならびに細菌病(もみ枯細菌病・苗立枯細菌病)の発生。

4月29日現在
警戒メッシュ説明:
 右図は平均気温の過去7日間平均値で活着障害を監視する目的で、水田分布メッシュを対象に示したものです。育苗管理や田植え時期の判定等の参考にして下さい。なお、警戒メッシュは下の基準温度を使用しています。(詳細は気象障害監視のポイントを参照。)
    基準気温    障害の程度
   @9℃以下    生育が著しく抑制される。
   A12℃以下   生育の遅れが懸念される。
   B15℃以下   活着は普通に進む。
   C15℃以上   活着とその後の生育は急速に進む。


<特記事項>

  〜9℃著しい生育抑制
9〜12℃生育遅れ
12〜15℃普通の生育
15℃以上急速な生育
ホームページ参照:

 
GotoHome Prev Next Return Opinion
 

reigai@ml.affrc.go.jp