水稲冷害研究チーム

2010年早期警戒情報


2010年早期警戒情報(5月29日)
No.6
<特に注意を要する事項>
 期間のはじめは気温が低い見込みです。

 仙台管区気象台が28日発表した向こう1か月予報によると、この期間、天気は数日の周期で変わるが、寒気やオホーツク海高気圧の影響を受ける時期がある。
 平均気温は均してみると平年並または低い予想です。予想される気温区分確率は、第1週については低い可能性が70%、同平年並み20%、同高い10%。第2週については低い可能性が30%、同平年並み40%、同高い30%です。この先2週間の天候予想は次の通りです。

第1週目(5月29日〜6月4日):気圧の谷や寒気の影響で曇りの日が多いが、期間のはじめと中頃は高気圧におおわれて晴れるところがある。
 平均気温は低い確率が70%。

第2週目(6月5日〜6月11日):天気は数日の周期で変わり、東北日本海側は平年と同様に晴れの日が多く、東北太平洋側は平年と同様に曇りや雨の日が多い見込み。
 平均気温は各階級の確率の偏りは小さい。

 また、この先1週間の予想によると、偏西風は日本付近で大きく蛇行し、寒気が入りやすくなると予想されます。



5月28日発表:1ヶ月予報(5月29日から6月28日)

 6月3日現在における冷害危険度地帯別にみた過去7日間の平均的な気象経過は、次の通りです。

地帯 実況
平均
実況
最高
実況
最低
実況
降水量
実況
日照
移動
平均
移動
最高
移動
最低
移動
降水量
移動
日照
平年偏差(移動平均−平年)
平均 最高 最低 降水量 日照
117.324.89.80.111.513.719.38.40.18.4-3.4-2.7-4.2-2.63.6
216.622.510.40.011.713.919.38.50.29.2-2.5-2.0-3.2-1.83.7
316.222.99.20.013.213.919.48.50.89.0-3.3-2.6-4.2-1.83.7
416.423.110.20.010.613.118.97.40.48.5-2.9-2.3-3.8-1.93.3
517.424.910.30.013.314.920.29.70.48.8-3.1-3.0-3.4-1.83.4
615.522.48.20.19.811.717.75.50.28.3-3.8-2.8-4.8-2.53.4
717.725.110.50.011.813.919.68.80.18.1-3.3-2.4-4.1-2.53.1
814.518.610.70.07.511.616.07.00.88.6-2.5-2.1-3.2-2.03.6
注)実況値は当該月日の値、移動値は前7日間の移動平均値、平年偏差は移動平均から平年値を差し引いた値をそれぞれ示す。

この地帯の詳細については冷害危険度地帯とその特徴をご覧ください。


 現在、東北地域の水稲は田植え終盤から分げつ始めにあります。
 過去7日間の地帯別平均的気象経過は上表の通りです。平均気温はやや低めに経過してきましたが、今後も低温となることが予想されています。
 このようなことから、本情報にある気象障害監視のポイント、気温指標、参照リンクならびに各県の技術・予察情報などを参考にして、水温・地温を高めるための水管理の徹底により初期生育の促進を図ってください。

○低温時:深水管理による活着・生育障害の防止。

○高温時:浅水管理による分げつ促進、表土剥離や有害物質の発生防止。

6月3日現在
警戒メッシュ説明:
 右図は平均気温の過去7日間平均値で活着障害を監視する目的で、水田分布メッシュを対象に示したものです。育苗管理や田植え時期の判定等の参考にして下さい。なお、警戒メッシュは下の基準温度を使用しています。(詳細は気象障害監視のポイントを参照。)
    基準気温      障害の程度
   @13℃未満     草丈・根の生育が停止し、生育遅延が生じる。
   A13℃〜15℃   分げつ形成が停止し、有効分げつ確保が遅れる。
   B15℃〜17℃   17℃以上の地域に比較して生育が緩慢となる。
   C17℃以上     順調な生育が期待できる。

<特記事項>

  〜13℃草丈・根の伸長停止
13〜15℃分げつ形成停止
15〜17℃生育緩慢
17℃以上急速な生育
ホームページ参照:

 
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