水稲冷害研究チーム

2006年早期警戒情報


2006年早期警戒情報(7月8日)
No.12
 仙台管区気象台が7日に発表した向こう1か月予報によると、この期間、天気は前線や気圧の谷の影響で、平年に比べ曇りや雨の日が多い見込み。
 平均気温は均してみると平年並か高いの予想です。予想される気温区分確率は、第1週については低い可能性が20%、同平年並み30%、同高い50%。同じく第2週については低い可能性が20%、同平年並み40%、同高い40%です。この先2週間の天候予想は次の通りです。

第1週目(7月8日〜7月14日):気圧の谷や前線の影響で曇りの日が多いが、晴れの日もある。
 平均気温は高い。
 なお、東北太平洋側北部では、はじめ最高気温が低いところがある。

第2週目(7月15日〜7月21日):前線や気圧の谷の影響で、平年と同様に曇りや雨の日が多い。
 平均気温は平年並か高い。

 また、この先1週間における偏西風の流れの予想によると、偏西風は日本付近で蛇行し、前半オホーツク海高気圧の影響を受ける。その後、日本の東海域に中心をもつ高気圧に覆われ、南から暖かい空気が入りやすい見込み。



7月7日発表:1ヶ月予報(7月8日から8月7日)

 7月14日現在における冷害危険度地帯別にみた過去7日間の平均的な気象経過は、次の通りです。

地帯 実況
平均
実況
最高
実況
最低
実況
降水量
実況
日照
移動
平均
移動
最高
移動
最低
移動
降水量
移動
日照
平年偏差(移動平均−平年)
平均 最高 最低 降水量 日照
126.831.422.50.85.523.026.020.56.01.41.81.02.5-0.1-1.4
226.330.622.30.38.122.626.219.51.73.12.01.62.2-2.8-1.0
323.525.721.71.80.523.326.520.65.82.31.61.02.2-1.1-1.8
426.230.022.90.96.222.426.219.32.73.12.11.82.3-2.3-0.7
525.428.322.72.01.423.927.321.111.41.61.71.12.44.9-2.2
625.230.021.30.17.222.225.919.13.32.32.42.32.7-2.4-1.0
726.430.522.60.76.222.725.520.37.41.51.50.52.11.2-1.4
824.630.220.80.29.819.723.316.90.53.11.31.91.1-4.0-0.3
注)実況値は当該月日の値、移動値は前7日間の移動平均値、平年偏差は移動平均から平年値を差し引いた値をそれぞれ示す。

この地帯の詳細については冷害危険度地帯とその特徴をご覧ください。


 現在、東北地域の水稲は穂首分化期から幼穂形成期にあります。
 過去7日間の地帯別平均的気象経過は上表の通りです。気温はやや低めに経過しています。今後平均気温は平年並か高く推移すると予想されていますが、これから水稲にとって低温に最も感受性な時期に入ります。
 このようなことから、本情報にある気象障害監視のポイント、気温指標、葉齢進度予測、幼穂発育予測、葉いもち予察、参照リンクならびに各県の技術・予察情報などを参考にして、葉いもち防除の徹底、カメムシ防除や普段の水管理などには細心の注意を払って下さい。

○低温時:幼穂形成期から減数分裂期前までの前歴深水管理(水深10cm)の徹底
      減数分裂期前から出穂期までの危険期深水管理(水深20cm程度)の徹底
      (気象障害監視のポイントや技術情報を参照のこと)

○高温時:間断灌漑による生育制御や有害物質の発生防止。
7月14日現在
警戒メッシュ説明:
 右図は平均気温の過去7日間平均値で活着障害を監視する目的で、水田分布メッシュを対象に示したものです。育苗管理や田植え時期の判定等の参考にして下さい。なお、警戒メッシュは下の基準温度を使用しています。(詳細は気象障害監視のポイントを参照。)
    基準気温      障害の程度
   @17℃未満     かなりの被害が予想されるため深水管理を実施する。
   A17℃〜20℃   耐冷性の弱い品種などでは被害が予想されるため、深水管理を実施する。
   B20℃〜22℃   予防的な深水管理の実施を検討する。
   C22℃以上     被害は予想されない。

<特記事項>
・東北全域が梅雨期に入り、またいもち病の蔓延可能域も広がりつつあります。補植用取り置き苗は葉いもちの伝染源となりやすいので至急処分して下さい。
・中干しは幼穂形成期前までに終えること。
 ・栽培管理上参考にすべき各種気象情報については、仙台管区気象台ホームページの「気象情報発表」コーナー(http://www.sendai-jma.go.jp/)を参照ください。

  〜17℃要深水管理
17〜20℃深水管理推奨
20〜22℃予防的な深水管理
22℃以上被害は予想されない
ホームページ参照:

 
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