水稲冷害研究チーム

2013年早期警戒情報


2013年早期警戒情報(7月20日)
No.12
<特に注意を要する事項>
 期間の前半は、降水量が多く日照時間の少ない状態が続くでしょう。また、期間の前半は東北太平洋側では、気温がかなり低くなる可能性があります。

 仙台管区気象台が19日発表した向こう1か月予報によると、天気は期間の前半は平年に比べ曇りや雨の日が多く、期間の後半は日本海側では平年と同様に晴れの日が多く、太平洋側では天気は数日の周期で変わる見込み。
 平均気温は均してみると日本海側で平年並または低い確率ともに40%、太平洋側で低い確率50%の予想です。予想される気温区分確率は、第1週については日本海側で低い可能性が40%、同平年並み40%、同高い20%、太平洋側で低い可能性が60%、同平年並み30%、同高い10%。第2週については低い可能性が50%、同平年並み30%、同高い20%です。この先2週間の天候予想は次の通りです。

第1週目(7月20日〜7月26日):前線や湿った気流の影響で曇りや雨の日が多いが、期間のはじめは高気圧に覆われ晴れる日がある見込み。
 気温は、日本海側で平年並または低い確率が40%、太平洋側で低い確率が60%

第2週目(7月27日〜8月2日):前線や気圧の谷の影響で平年に比べ曇りや雨の日が多く、オホーツク海高気圧の影響で太平洋側を中心に気温がかなり低くなる見込み。
 気温は低い確率50%。

 また、この先1週間における偏西風の流れの予想によると、偏西風は蛇行し、北から寒気が入る可能性があります。



7月19日発表:1ヶ月予報(7月20日から8月19日)

 7月25日現在における冷害危険度地帯別にみた過去7日間の平均的な気象経過は、次の通りです。

地帯 実況
平均
実況
最高
実況
最低
実況
降水量
実況
日照
移動
平均
移動
最高
移動
最低
移動
降水量
移動
日照
平年偏差(移動平均 - 平年)
平均 最高 最低 降水量 日照
121.0 23.2 19.3 6.1 0.2 20.6 24.4 18.1 5.2 2.2 -2.6 -3.6 -1.5 0.7 -2.5
222.3 26.3 20.1 15.4 1.7 21.0 25.1 17.9 4.3 3.3 -1.9 -2.4 -1.2 0.5 -2.4
323.3 27.8 20.6 11.9 2.3 22.6 26.9 19.4 7.9 3.6 -1.2 -1.6 -0.5 3.1 -2.0
421.0 24.2 19.3 14.0 1.0 19.9 23.7 17.1 4.6 2.7 -2.5 -3.6 -1.5 0.1 -2.4
523.1 27.5 20.4 12.4 2.9 22.8 27.1 19.8 10.8 3.6 -1.3 -4.6 -2.2 5.9 -2.2
620.7 23.1 18.6 10.6 0.2 ---5.5 1.8 -3.1 -3.4 -1.7 1.2 -3.3
721.0 23.0 19.4 8.3 0.1 20.9 24.9 18.2 7.8 2.5 -2.3 -2.9 -1.5 3.1 -2.3
819.2 20.1 18.5 19.2 0.0 18.6 21.3 16.6 3.4 2.0 -2.2 -3.3 -1.1 -0.7 -2.9
注)実況値は当該月日の値、移動値は前7日間の移動平均値、平年偏差は移動平均から平年値を差し引いた値をそれぞれ示す。

この地帯の詳細については冷害危険度地帯とその特徴をご覧ください。


 現在、東北地域の水稲は幼穂形成期から減数分裂期にあり、障害型冷害の危険期に入っています。
 過去7日間の地帯別平均的気象経過は上表の通りです。気温はやや低めで経過してきました。今後も気温は低めで推移すると予想されます。
 このようなことから、本情報にある気象障害監視のポイント、気温指標、参照リンクならびに各県の技術・予察情報などを参考にして、水管理には細心の注意を払って下さい。

 ○高温時:中干しや間断灌漑による生育制御や有害物質の発生防止。

 ○低温時:深水管理による生育障害の防止。

7月25日現在
警戒メッシュ説明:
 右図は平均気温の過去7日間平均値で活着障害を監視する目的で、水田分布メッシュを対象に示したものです。前歴・危険期深水管理等の判定等の参考にして下さい。なお、警戒メッシュは下の基準温度を使用しています。(詳細は気象障害監視のポイントを参照。)
    基準気温      障害の程度
   @17℃未満     かなりの被害が予想されるため深水管理を実施する。
   A17℃〜20℃   耐冷性の弱い品種などでは被害が予想されるため、深水管理を実施する。
   B20℃〜22℃   予防的な深水管理の実施を検討する。
   C22℃以上     被害は予想されない。

<特記事項>
・葉いもちの感染好適条件がほぼ全域で頻度高く現れています。いもち病の早期発見と適切な防除に努めてください。
・福島県(6月28日付け)では斑点米カメムシ類に関する注意報が出されています。
・山形県(4日付け)では斑点米カメムシ類に関する注意報が出されています。
・宮城県(5日付け)では斑点米カメムシ類に関する注意報が出されています。
・秋田県(11日付け)では斑点米カメムシ類に関する注意報が出されています。
 

  〜17℃低温障害警戒
17〜20℃低温障害警戒
20〜22℃低温障害要注意
22℃以上 
ホームページ参照:

 
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